全人代代表、中国工程院院士の薛禹勝氏は、中国にはすでに特高圧電力網の建設を加速する技術的条件が備わっており、特高圧電力グリッドを基幹フレームワークとして、各クラスの電力グリッドが協調的に発展するスマートグリッドを速やかに建設するよう建議した。薛禹勝氏は次のように提言した。

　特高圧交直流モデルプロジェクトはすでに全面的な成功を収めており、キーテクノロジーも把握されている。特に特高圧交直流プロジェクトの稼動が次々と成功したことによって、特高圧送電の安全性、実施可能性、優越性が実証され、大規模な普及の条件が整った。

　特高圧目標電力グリッド建設の過渡期においては、二次系統の建設とオンラインモニタリング並びにリスク防御を強化することで、総合的なセキュリティを実現出来る。しかし、長期的に見ると、二次系統に依拠するだけでは不十分であり、ストロンググリッドが電力セキュリティと環境セキュリティの基礎になる。これには特高圧電力グリッドを基幹フレームワークとして、各クラスの電力グリッドが協調的に発展するスマートグリッドを速やかに建設することが必要である。これは、エネルギー資源配置の最適化や環境キャパシティの統一的な協調にも有利であり、エネルギー開発利用における環境保護効率と安全性、信頼性を促進する。また、特高圧技術とスマートグリッドは在来の電力グリッドの送配電事業に止まらず、川上・川下の関連産業にも波及し、エネルギー、電力、電工設備など関連分野の技術イノベーションと産業のグレードアップを強力に推進することになる。インフラ施設や民生サービスの建設も波及、牽引し、中国の設備メーカーの自主革新能力と国際競争力を高め、イノベーション型国家の建設を促進する。

　そのためには、特高圧プロジェクトの建設を国のエネルギー発展第12次5ヵ年規画、電力規画や電力グリッド専門規画に盛り込むべきである。まず、特高圧プロジェクトの建設に対する支援を一層強化し、条件が整い急を要する特高圧交直流プロジェクトを可及的速やかに承認、始動し、特高圧の交流と直流の協調的発展を推進しなければならない。広い範囲で資源の最適化配置を実現し、社会経済の発展を促進する。第2に、国家レベルにおいてスマートグリッドの計画と建設を統一的に部署し、スマートグリッドを国のエネルギー戦略とエネルギー発展第12次5ヵ年規画に盛り込む。国家レベルで関連する指導意見を制定し、スマートグリッドの発展を促進する財政・租税、電力価格、投融資等の面で支援政策やその他の付帯政策を策定する。第3に、特高圧とスマートグリッドの国際交流と協力を促進し、国際協力プラットフォームを構築して技術と設備の輸出を実現する。特高圧とスマートグリッド標準の国際化を推進し、イノベーションの駆動を堅持して、「中国製造」から「中国創造」へ、「中国創造」から「中国リード」への転換を実現する。多元的な発展、互恵協力、共同保障、国内・国際エネルギー資源の統一的な利用を堅持し、中国のエネルギーセキュリティと環境セキュリティシステムを速やかに建設する。

（RFID中国網 3月12日）