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【原子力】

張国宝元国家能源局長「原子力発電の放棄は不可能」 (11/03/19)
2012/3/19
中国【原子力】

 国家能源局元局長の張国宝氏は「中国発展高層フォーラム」において、風力発電やソーラーなど再生可能エネルギーの発展に力を入れるよう主張するが、再生可能エネルギーを主力エネルギーに充当させることに希望を寄せる考え方は単なる理想論に過ぎないと表明した。また、張国宝氏は、国は原子力発電を放棄することは出来ず、各国の原子力発電開発に対する熱意は未だ冷めていないとし、年内に新規原子力発電所の建設が再開されるとの見通しを示した。

 福島原発事故が発生するまでは、中国に代表される新興国の原子力発電建設は著しくスピードアップしていた。中国では28基の原子炉が着工され、全世界で60基余りの原子炉が建設中であった。多くの諸国は原子力発電開発の希望を表明し、韓国等の諸国に到っては原子力発電立国の目標を打ち出し、原子力発電を造船、鉄鋼、電子に次ぐ新たな成長材料として位置付けていた。しかし、福島原発は台頭しつつあった原子力発電に冷水を浴びせた。2011年、原子力発電に関わる全世界の天然ウラン産業や設備製造業はいずれも谷底に陥った。

 張国宝氏は次のように表明した。世界は原子力の平和利用を引き続き発展させるだろう。福島原発事故によって原子力発電の発展は遅れを取り、石炭火力発電や天然ガス発電が刺激されたが、今後一次エネルギーに占める原子力発電の比率は上昇傾向を呈する。各国の原子力発電発展に対する熱意は未だ冷めておらず、福島原発事故以前に原子力発電開発を計画していた諸国や建設が計画されていた原子力発電所には何ら変化はない。年内には新たな原子力発電所の建設が再開されるとともに、徐々に増加していくに違いない。ドイツも含め、2022年に完全な原子力の放棄が本当に出来るのかどうかは未知数である。風力発電やソーラーなど再生可能エネルギーの発展に力を入れるよう主張するが、これら再生可能エネルギーがエネルギー需要の中で占める比率はせいぜい20〜30%である。再生可能エネルギーによって主力エネルギーに充当できると期待する考え方は単なる理想目標に過ぎない。それゆえ、依然として原子力発電を放棄することは不可能であり、これからも原子力発電を行わないとするのは不可能であると考えられる。

 (中国経済網 3月19日)