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【石炭】

石炭第12次5ヵ年規画が公布 西部基地建設に注力 (11/03/22)
2012/3/30
中国【石炭】

 2011年に第12次5ヵ年規画がスタートして1年、各産業の第12次5ヵ年規画が次々と策定されているが、国民経済にとって最も基礎的かつ重要な石炭産業の第12次5ヵ年規画の策定は遅れていた。石炭副産物の炭層ガス第12次5ヵ年規画が先に発表されたが、3月22日にようやく国家能源局は《石炭産業第12次5ヵ年規画》を正式公布することになった。

 石炭は依然として中国の基礎エネルギーであり、一次エネルギー消費量の70%を占める。今回公布された石炭第12次5ヵ年規画が今後数年間の石炭生産に重大な影響をもたらすことは間違いない。現時点では石炭第12次5ヵ年規画は未だ正式公布されていないが、手元にある資料を見る限り、第12次5ヵ年規画期末には42億トンの石炭供給が必要になり、うち国内からの供給は40.5億トン、純輸入が1.5億トンになる。第12次5ヵ年規画期における石炭産業発展の主な考え方は「東部抑制・中部安定・西部大発展」になる。西部地区については、神東、陝北、黄隴、寧東等の大型石炭基地の建設を推進する。特に内蒙古東部の褐炭資源開発が重視されることになり、大型露天掘り炭鉱を優先的に建設して東北地区に重点的に供給する。

 今回の石炭第12次5ヵ年規画の重要な特徴の一つとして、石炭生産の集約化、大型化を引き続き推進することがある。大型基地の建設と大型グループの育成に重点を置いて、石炭の構造調整を推進し、産業発展の集約化のレベルを高める。大型炭鉱の生産量が全国の約60%を占めるようにする。全国の炭鉱数を1万ヵ所以下に減らす。これらは石炭第12次5ヵ年規画の主要目標になるが、その他に、今回の石炭第12次5ヵ年規画では石炭の輸送も重要な焦点になる。2015年に石炭生産量は40億トンに達するが、石炭をいかにして輸送するかは石炭第12次5ヵ年規画において突出した問題の一つになる。石炭の輸送と鉄道輸送力の問題はすでに石炭の流通を制約する主要要因の一つになっており、そうしたギャップはとりわけ内蒙古の石炭の輸送問題に体現されている。

 規画の意見募集版によると、内蒙古のウランチャップから通遼に到る集通線の輸送力は、2010年の1,500万トンから、2015年には3,500万トンに引き上げられ、また、蒙冀線(内蒙古−河北)の建設によって輸送力は4,000万トン増える。

 石炭第12次5ヵ年規画は、輸送力以外に石炭の中間輸送プロセスにも重点を置いて強調している。石炭の中間プロセスには石炭中間商というグループも含まれる。設立から間もない中国石炭取引センターは、中国が石炭の発注の仕組みを改革して健全な石炭取引の体制と仕組みを確立する上で影響を及ぼすことになる。

 (中国広播網 3月22日)