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【新エネルギー】

ソーラー産業は「都市省エネ」をターゲットにせよ (11/03/25)
2012/3/30
中国【新エネルギー】

 建築物からの炭素排出については自動車や工場のように直接的、明確に語られることは少ない。動かない建物がなぜ炭素を排出するのか、多くの人は理解できない。しかし、実際には建築物の排出は全排出総量のほとんど50%を占め、その比率は運輸や工業分野をはるかに上回る。

 第12次5ヵ年規画綱要によると、2015年に都市化率は51.5%に達する。このことは、今後数年間、都市の省エネが省エネ・排出削減の成否を決める鍵になることを意味している。それゆえにこそ、住宅都市農村建設部は3月初旬、《建築省エネ科技司の2012年工作要点に関する通達》を発したのである。住宅都市農村建設部は、新規建築に再生可能エネルギー応用を義務付ける実験を今年展開して、グリーン建築の発展を全面的に推進することを明確にしている。そして、第12次5ヵ年規画には新規グリーン建築を11億m2とし、5.7億m2の建築に省エネ改造を施す。

 ソーラー産業にとってチャンスの窓はすでに開かれている。専門家によると、都市省エネ分野では、ソーラーとのコンビネーションが可能であるだけでなく、都市給水省エネ、都市暖房省エネ、都市冷房省エネから都市給電省エネに到るまでソーラー光熱は有用である。北京四季沐歌太陽能技術有限公司に代表されるソーラー企業は近年、都市民用並びに商用分野における「IOT(モノのインターネット)ソーラー・全自動スマート分離式壁掛けソーラー」を加速するとともに、2011年には都市建設市場への注力を開始した。「温水から熱エネルギー、単一エネルギーから複合エネルギー、低温領域から高温領域」と、太陽熱温水、工業用ボイラー、商業用冷房、乾燥なども含むソーラー光熱は、製紙、紡績、化学工業、医薬など多くの産業に応用されている。

 2012年に中国が経済成長を合理的に下方調整することについて、英国の「フィナンシャルタイムズ」は、中国はこれまでの「唯GDP成長論」の発展方法を改め、持続可能なグリーン発展の道を邁進していると指摘する。今年の全人代と全国政治協商会議において、PM2.5が初めて「政府工作報告」に記載された。アナリストの見方では、これは政府の省エネ・排出削減に対する決意を反映しているだけでなく、各所管部局に対して省エネ・排出削減措置をより一層ミクロ、縦深レベルに向けて推進するよう促していることを意味している。ソーラー光熱企業にとっては、経済成長方式の転換はグリーンGDPの有力な推進薬であり、PM2.5は排出削減の成果を検証する拘束的な指標であり、「都市省エネ」は具体的な手段であり道筋である。2011年下半期に政府は「全国大型公共建築省エネ改造重点都市」実験を始動し、すでに40の大中都市が対象になっている。中国省エネ協会省エネ再生可能エネルギー専門委員会の統計によると、重点都市の今後2年間における公共建築の省エネ改造面積は400万m2に達し、1m2当たりの太陽熱利用コストを100元として試算すると、今年と来年の重点都市40市の公共建築省エネ改造だけでも数百億元のソーラー光熱マーケットがもたらされる。
 ソーラー産業アナリストによると、このような巨大な「パイ」にはあらゆるソーラーメーカーが与るわけではなく、有力なメーカーが「都市スマート化」をめぐって競争を展開し、「システム集積」と「リモート•コントロール」の2大中核部門が構築されることになる。

 (中国経済網 3月25日)