3月21日、米国政府は中国から輸入する太陽光発電製品に対する反補助金の裁決を下し、最高税率を4.73%、最低でも2.90%とした。また、米国商務省は5月中旬に反ダンピング税率を発表する。最終的な関税率の確定は米国国際貿易委員会(ITC)の調査完了後になるが、中国の太陽光発電業界は反ダンピング税が反補助金税をはるかに上回るのはないかと憂慮している。 もし反補助金税に20〜30%の反ダンピング税が加えられると、中国の太陽光発電企業は重大な打撃を受け、米国市場をほぼ失うことになる。加えて、米国政府によって好ましからざる連鎖反応ももたらされ、EUなどもこれに倣うことが業界から懸念されている。 米国の保護貿易行動は間違いなく天に唾を吐くものである。太陽光発電産業において米中は互いに相手を必要とし、完全な互恵互利とウィン・ウィンの関係にあり、争えば双方が負けることになる。 一面では、米国市場は中国の安価で質の良いユニット製品によって太陽光発電産業の発展動力を高める必要がある。いったん中国に対して反補助金・反ダンピングを実施すると、負の連鎖反応を引き起こすことになる。この点については米国の太陽光発電分野の大手企業にとっても共通認識になっている。GTATグループの幹部はかつて次のように表明した。米国の太陽光発電市場の成長を促進したのは中国の高品質で安価なユニットである。米国の家庭はより多くの、より良好なクリーン・エネルギーを使用できるようになった。ITC関税のようにコストを増やす行為はそれがいかなるものであれ米国と世界の太陽光発電産業にとって有害である。こうした関税は太陽光発電の消費者のコストを増やし、米国の労働市場の成長を阻害するとともに、新エネルギーや技術開発への投資を減らすことになる。ソーラーと在来エネルギーの間の格差は縮小しつつあるが、このプロセスは保護貿易主義によって、価格面で損なわれる。 もう一つの面では、中国はすでに米国のポリシリコンを輸入する大口顧客になっている。米国から中国へのポリシリコン輸出量は2008年の5,371トンから2011年には1万7,476トンに増加し、伸び率は225%になっている。輸出額は2008年の7.5億ドルから2011年には10.4億ドルに急増した。また、米国は中国に太陽光発電設備も輸出している。一旦海外市場が大きく萎縮すると、中国企業は必然的に減産を余儀なくされる。そうなれば、米国のポリシリコン産業と太陽光発電設備産業にはいずれも大きな負の影響が及ぶことになる。 遺憾なことに米国の反補助金・反ダンピング措置は実施に移されるに違いない。そうなれば、中国の太陽光発電産業にとって最も重要なことはどのようにして「主客逆転」するかである。受動を能動に転じるには内需市場を拡大するしかない。喜ばしいことに、一連の政策策定に伴い、中国の内需市場は徐々に開拓されつつある。中国は第12次5ヵ年規画期末には太陽光発電設備容量を10GWに増やすことを目標にしている。 最近工業情報化部が公布した《太陽光発電産業第12次5ヵ年発展規画》は、太陽光発電市場を拡大し、多様な市場を育成しなければならないと提唱するとともに、コスト引き下げ目標を打ち出している。2015年には太陽光発電ユニットのコストを7,000元/kWに、太陽光発電システムのコストを1.3万元/kWに、発電コストを0.8元/kWhに引き下げることになる。発電コストが下がると、国内の太陽光発電市場が活性化し、企業も拡大する。 さらに、同規画によると、2015年には5万トン級のポリシリコン企業を1社、1万トン級を2〜3社、5GW級太陽電池企業を1〜2社、1GW級を7〜9社形成する。また、年間売上高1,000億元超の太陽光発電企業を1社、500億元超の企業を3〜5社形成する。年間売上高10億元超の太陽光発電専用設備企業を3〜4社形成する。 企業の競争力増強に伴い、中国の太陽光発電企業が米国を前にして最早受動的でなくなる日が来るのもそう遠くはないだろう。 (中国電子報 3月28日)
3月21日、米国政府は中国から輸入する太陽光発電製品に対する反補助金の裁決を下し、最高税率を4.73%、最低でも2.90%とした。また、米国商務省は5月中旬に反ダンピング税率を発表する。最終的な関税率の確定は米国国際貿易委員会(ITC)の調査完了後になるが、中国の太陽光発電業界は反ダンピング税が反補助金税をはるかに上回るのはないかと憂慮している。
もし反補助金税に20〜30%の反ダンピング税が加えられると、中国の太陽光発電企業は重大な打撃を受け、米国市場をほぼ失うことになる。加えて、米国政府によって好ましからざる連鎖反応ももたらされ、EUなどもこれに倣うことが業界から懸念されている。
米国の保護貿易行動は間違いなく天に唾を吐くものである。太陽光発電産業において米中は互いに相手を必要とし、完全な互恵互利とウィン・ウィンの関係にあり、争えば双方が負けることになる。
一面では、米国市場は中国の安価で質の良いユニット製品によって太陽光発電産業の発展動力を高める必要がある。いったん中国に対して反補助金・反ダンピングを実施すると、負の連鎖反応を引き起こすことになる。この点については米国の太陽光発電分野の大手企業にとっても共通認識になっている。GTATグループの幹部はかつて次のように表明した。米国の太陽光発電市場の成長を促進したのは中国の高品質で安価なユニットである。米国の家庭はより多くの、より良好なクリーン・エネルギーを使用できるようになった。ITC関税のようにコストを増やす行為はそれがいかなるものであれ米国と世界の太陽光発電産業にとって有害である。こうした関税は太陽光発電の消費者のコストを増やし、米国の労働市場の成長を阻害するとともに、新エネルギーや技術開発への投資を減らすことになる。ソーラーと在来エネルギーの間の格差は縮小しつつあるが、このプロセスは保護貿易主義によって、価格面で損なわれる。
もう一つの面では、中国はすでに米国のポリシリコンを輸入する大口顧客になっている。米国から中国へのポリシリコン輸出量は2008年の5,371トンから2011年には1万7,476トンに増加し、伸び率は225%になっている。輸出額は2008年の7.5億ドルから2011年には10.4億ドルに急増した。また、米国は中国に太陽光発電設備も輸出している。一旦海外市場が大きく萎縮すると、中国企業は必然的に減産を余儀なくされる。そうなれば、米国のポリシリコン産業と太陽光発電設備産業にはいずれも大きな負の影響が及ぶことになる。
遺憾なことに米国の反補助金・反ダンピング措置は実施に移されるに違いない。そうなれば、中国の太陽光発電産業にとって最も重要なことはどのようにして「主客逆転」するかである。受動を能動に転じるには内需市場を拡大するしかない。喜ばしいことに、一連の政策策定に伴い、中国の内需市場は徐々に開拓されつつある。中国は第12次5ヵ年規画期末には太陽光発電設備容量を10GWに増やすことを目標にしている。
最近工業情報化部が公布した《太陽光発電産業第12次5ヵ年発展規画》は、太陽光発電市場を拡大し、多様な市場を育成しなければならないと提唱するとともに、コスト引き下げ目標を打ち出している。2015年には太陽光発電ユニットのコストを7,000元/kWに、太陽光発電システムのコストを1.3万元/kWに、発電コストを0.8元/kWhに引き下げることになる。発電コストが下がると、国内の太陽光発電市場が活性化し、企業も拡大する。
さらに、同規画によると、2015年には5万トン級のポリシリコン企業を1社、1万トン級を2〜3社、5GW級太陽電池企業を1〜2社、1GW級を7〜9社形成する。また、年間売上高1,000億元超の太陽光発電企業を1社、500億元超の企業を3〜5社形成する。年間売上高10億元超の太陽光発電専用設備企業を3〜4社形成する。
企業の競争力増強に伴い、中国の太陽光発電企業が米国を前にして最早受動的でなくなる日が来るのもそう遠くはないだろう。
(中国電子報 3月28日)