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【石油・天然ガス】

中露天然ガス交渉 ロシア側の要求価格が高すぎてまたも決裂 (12/05/03)
2012/5/16
中国【石油・天然ガス】

 李克強副首相が4月末にロシアを訪問した際に中国とロシアの企業は合計26件の重要協力合意文書に調印したが、中国石油天然ガス集団(CNPC)はGazpromと天然ガス輸入契約で合意に達しなかった。双方は15回にわたって天然ガス貿易交渉を重ねているとのこと。

 Gazpromの希望する販売価格は350ドル/千m3であるが、一方、CNPCがロシア側に求めている価格は250ドル。双方の価格をめぐる立場は100億ドル以上の隔たりがある。中国能源網の首席情報官である韓暁平氏によると、ロシアの提示する天然ガス価格は欧州諸国向け販売価格を根拠としているが、中国にとっては著しく高い。中国の天然ガス輸入は多元化構造が次第に形成されており、中央アジアから陸上で輸入する天然ガス価格はロシアの要求する価格水準をはるかに下回っている。ロシアがドイツや西ヨーロッパにガスを供給するためには多くの東欧諸国を越境する必要があり、それぞれの国を通過するたびに通過料が生じ、中間プロセスにおいて非常に多くの不合理なコストが必要になる。一方、中国に販売する場合、このようなコストを要しない。欧州へ天然ガスを供給しているガス田からの距離は中国の方が近いので、中国向け価格は欧州向けよりも低くあって然るべきである。しかし、ロシアはこれまで一貫して、欧州向け価格を価格決定の基礎として中国と交渉してきた。当然ながら中国にとっては不合理なことである。

 韓暁平氏によると、中国は目下様々な方式によって天然ガスやシェールガス資源の開発を積極的に進めており、貿易のチャンスの見地から、ロシアは大きなチャンスを失うべきではない。中国の天然ガス開発が拡大し、市場が開放されると、より多くの天然ガスが供給されることになり、そうなれば中国がロシアの天然ガスにより大きく依存することはなくなる。ロシアがこのチャンスを掴まなければ、これほどのチャンスを二度と掴む機会を再び得ることはなかろう。

 (中国能源網 5月3日)