1. HOME
  2. 中国 【省エネ・環境】

中国
【省エネ・環境】

北京市が2015年には石炭燃焼総量を1,500万トンに削減 (12/05/04)
2012/5/16
中国【省エネ・環境】

 北京市の《石炭燃焼の削減加速と大気質改善促進対策方案》は、第12次5ヵ年規画期の石炭燃焼総量を、以前に確定していた2,000万トンからさらに削減して1,500万トンにすることを明確にしている。その目標達成を確保するため、4大ガス併給センターを2年前倒しで完成させ、より一層厳格な石炭・ガス・石油参入基準を制定することになる。

 北京市は、従来の第12次5ヵ年規画では、2015年の石炭燃焼総量を2,000万トンに削減するとしていたが、今回の対策方案では1,500万トンに削減することになった。これは5年間で合計1,135万トンの削減に相当する。2020年にはさらに500万トン削減して、1,000万トン以内にする。石炭燃焼を大幅に削減する狙いについては、北京市発展改革委員会副主任でスポークスマンの趙磊氏は主に環境とエネルギー構成を考慮したと指摘し、「エネルギー、特に石炭や石油など一次エネルギーの使用は大気の質に影響し、PM2.5汚染を形成する重要な要因になる」と述べた。趙磊氏によると、北京市のPM2.5に影響する各種要素の中でもエネルギーの使用が4割近くを占めると試算されている。うち自動車の燃油による排出が22.2%、石炭の燃焼使用による排出が約16.7%になる。

 中国第2のエネルギー消費都市であり北方都市でもある北京のエネルギー構造において、石炭の占める比率は依然として高すぎる。2010年の北京市の石炭消費総量は2,635万トン、エネルギー消費の30%を占め、最も大きい比率を占めた。

 上述の目標を達成するため、対策方案は石炭燃焼削減の6大任務を明確にし、エネルギー配置の最適化については、特に4大ガス併給センターの建設を打ち出している。従来の計画では4大ガス併給センター2015年までにすべて完成するとしていたが、これを2年前倒しして2013年までの完成に改めた。4大ガス併給センターがすべて完成すると、既存の国華、石熱、高井、科利源の大型石炭火力併給発電所4基を段階的に閉鎖することになる。また、北京市は今後3年間かけて6つの区の石炭火力発電ボイラー室のクリーン・エネルギー化を完了し、石炭燃焼総量を200万トン削減する。民生面では、一般庶民の実際の生活状況も考慮して、「石炭から電気への転換」対象の住民向けにオフピーク時間帯の試験的割安料金を適用する時間を、現行の22:00〜翌朝6:00から、21:00〜翌朝6:00に変更する。

 エネルギー産業への参入については、同対策方案は、市の老朽化工業生産技術設備及び製品リストをより一層厳格に制定して淘汰を加速するとともに、石炭、天然ガス、石油製品等の資源並びに設備への参入基準についてもより一層厳格に制定して、源流からの規制実現を明確に打ち出している。

 北京市発展改革委員会の担当者によると、この参入基準は、石炭については、標準に適合しないバラ石炭の販売を徐々に淘汰することが主になる。「一般庶民の殆どが冬に燃焼しているのはブリケットではなく品質の不安定な塊炭やバラ石炭だ。これらの石炭は不純物が多く十分に燃焼できない上に危険が生じる恐れさえある。しかし、実際の市場状況を考えて、徐々になくしていく方法を取ることになる」。

 天然ガスへの参入基準については、前出の担当者によると、北京市はすでに一部地域において北京に入る天然ガスの再濾過を行っている。不純物をさらに篩い分けるためであり、今後はこうした基準を徐々に広げていく。「石油製品については、当然ながら注目されている国?標準だ。国?標準が施行されると、北京市の自動車使用による窒素酸化物の排出は全体的に10%前後下がる。順調に行けば、年内にも公布されるだろう」。

 (北京商報 5月4日)