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【原子力】

張国宝元能源局長「原子力発電開発目標は市場の期待を下回る」(12/05/14)
2012/5/14
中国【原子力】

 元国家能源局長の張国宝氏は5月10日に開かれた「2012年原子力発電持続可能発展フォーラム」において、原子力発電新規事業の許認可再開時期は依然未定であり、先般国務院常務会議で討議された原子力安全規画も未だ議決されていないことを明らかにし、原子力発電の中長期発展目標も最終的に6,000〜7,000万kWになって、市場の普遍的な期待値である8,000万kWを下回ると表明した。

 昨年3月に国務院が原子力発電開発を対象に提唱した「国四条」は、《原子力安全規画》の承認まで原子力発電事業の許認可を一時停止することを求めていた。張国宝氏が今回のフォーラムで明らかにしたところによると、今年初頭に国家核安全局が中心になって起草した《原子力安全規画》はすでに国務院に提出されているが、様々な理由で未だ議決されていない。国務院常務会議の要求により、同規画は、さらなる修正を進めて、最近国務院に提出された《原子力発電中長期発展規画》と合わせて再審議に付すことになり、原子力発電の新規事業の再開が日程に上るのはその後になる。

 原子力発電新規事業の再開は未だ日時が確定していないが、業界は首を長くして待ち望んでいる。中国原子力産業協会の趙成昆副理事長は同フォーラムにおいて、昨年の福島原発事故以来、中国の主要原子力発電設備メーカーの契約で、キャンセルもしくは延期になった受注額は合計250〜300億元に上る。原子力発電メイン設備の市場シェアの60%を占める東方電気株式有限公司の一社だけで、事故の影響を受けた受注額は100億元余りに達している。張国宝氏は、世界各国の原子力発電に対する態度は一様でないが、中国は政府から業界に到るまで安全で効率的な原子力発電の発展に対して依然前向きであると指摘する。同氏の予想では、《原子力発電中長期発展規画》が提示する2020年の設備目標は6,000〜7,000万kWになる。業界が予想する8,000万kWが目標値になる可能性は低い。もっとも、現在中国国内の稼動済み及び建設中の設備規模が4,100万kW、着工待ちが1,600万kWであることを考えると、中国の2020年の原子力発電設備目標が6,000万kWを下回ることはあるまい。

 (中国証券報 5月14日)