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【石炭】

第12次5ヵ年規画期はSNGの発展を奨励 (12/05/16)
2012/5/24
中国【石炭】

 石炭科学研究院が中心になってまとめた《石炭化学工業第12次5ヵ年科技規画》が完成し、間もなく公布される。同規画によると、中国は第12次5ヵ年規画期に石炭由来SNG(代替天然ガス)技術の応用を重点的に支援し、実験範囲を拡大する。専門家によると、SNGは他の石炭化学技術に比べ、エネルギー転換効率やエネルギー代替効果において顕著な優越性を備えている。第12次5ヵ年規画期にSNGプロジェクトが加速されると、1,000億元の設備市場に波及する。

 石炭由来SNGとは、石炭のガス化による合成ガスにメタン化処理を施して生産する代替天然ガス(SNG)。エネルギー転換効率が高く、技術も成熟しており、石油代替品を生産する上で有効な方法になる。石炭間接液化の転換率が32%、直接液化が38%であるのに比べ、SNGのエネルギー転換効率は50%になる。

中国の天然ガス不足量は年々拡大し、対外依存度は急上昇傾向を示している。関係機関の予測によると、2020年には天然ガス不足量は1,000億m3に達する。2011年の中国の天然ガス対外依存度は24%に達して、2010年の12.8%の2倍になった。そのため、中国は非在来型天然ガスと代替天然ガスの開発を迫られている。国の第12次5ヵ年戦略においても、シェールガス開発を強化するだけでなく、SNGにも期待が寄せられている。実際、ここ数年、大唐、同煤など中国の石炭関連企業が次々とSNG産業の計画配置に取り組んでおり、モデルプロジェクトもすでに進展を遂げている。これまで石炭液化技術に打ち込んできた神華集団もSNG開発を加速し、今年4月には内蒙古オルドスで総投資額160億元のSNGプロジェクトに着工した。

 今回の規画によると、第12次5ヵ年規画期もSNGや石炭化学工業全体は依然デモンストレーション段階に止まり、大規模な商業化を開始することは難しいかもしれないが、SNG設備投資を50%として試算すると、5年間の石炭化学設備市場規模は控えめに見積もっても1,000億元に達する。SNG設備投資のうち、圧力コンテナが45%、熱交換器が20%、機械・ポンプ類が15%、空気分離装置、パイプ系統、バルブ、メーター、電子制御等が20%を占めるだろう。

 今後中国で大型石炭化学プロジェクトが相次いで実施段階に進み、それに伴って関連設備の公開入札も集中的に進められる。方正証券のアナリストによると、2012年からSNG設備企業の大口受注が大幅に増加し、将来も業績の高成長が期待される。中国では多くの上場企業がSNG設備の生産に参入しており、ガス化炉を生産する張家港化工機械株式有限公司、伝熱設備を生産する甘粛藍科石化高新装備株式有限公司や、圧力コンテナを生産する海陸重工株式有限公司などが挙げられる。

 (慧聡網 5月16日)