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【新エネルギー】

中国がバイオマス燃焼発電技術で打開 (12/05/24)
2012/5/31
中国【新エネルギー】

 「バイオマス高温スーパーエンタルピー燃焼発電ボイラー技術」が安徽省科技庁の専門家審査にパスした。このプロジェクトはバイオマスエネルギー利用をめぐる貯蔵・輸送や燃焼等の難題に解決案を提示するものであり、くずわらの燃焼による「スモッグ都市」現象を解決することが期待される。農作物残渣等のバイオマスを再生可能なクリーン・エネルギーに転換することは、エネルギー危機の緩和や環境汚染の軽減にとって重要な意義を有する。しかし、これまでのバイオマス直接燃焼技術には2つの大きな難題がつきまとっている。第1に、農家が経営しているため、機械化程度が低く、くずわらの収集と輸送が困難であり、コストも高くつく。第2に、くずわら原料は多様で複雑であるため、くずわらを燃焼するボイラーの適応性や運転の安定性、設備の寿命に影響し、バイオマス発電産業の発展が制約されている。

 そこで、合肥工業大学と安徽豊原生物新能源公司は共同で「バイオマス高温スーパーエンタルピー燃焼発電ボイラー技術」を開発した。これは、バイオマスを粉砕して成形顆粒に圧縮し、くずわらをバイオマスとして利用する際の収集、輸送、貯蔵及び防火等の問題を解決するもの。農民にとって1ムー当たり100元余りの増収になる。そして、高温スーパーエンタルピー燃焼発電ボイラー技術によって、低効率、アルカリ腐食、コーキング、スラッギング等の問題を解決し、バイオマスの効率的、経済的で大規模な利用を実現する。

 審査委員会の委員を務めた中国科学院の周遠院士は、同技術が技術面で一連の打開を遂げ、バイオマスの高効率の循環利用を実現して、国際先進水準に達していると評価した。同技術指標に基づいて試算すると、2×15MWのバイオマス発電所を建設すると、年間25万トンのくずわらを消費して、農民に5,000万元(くずわら1トンにつき200元)の収益をもたらし、2.4億kWh発電して、二酸化炭素を約22万トン削減する。

 (新華網 5月24日)