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【新エネルギー】

国家能源局「太陽光発電産業は生産能力過剰にあらず」(12/05/29)
2012/6/4
中国【新エネルギー】

 太陽光発電産業の「生産能力過剰」は業界では共通認識になっているが、国家能源局新エネルギー司の梁志鵬副司長は5月26日、それとは異なる観点を提示した。梁志鵬副司長は、中国の太陽光発電生産能力は決して過剰ではなく、一部の国がマーケット需要を抑制していることに原因があるとの見方を示した。

 梁志鵬副司長によると、先進国は国内産業を保護するため、マーケット需要を抑制している。中国のソーラー電力価格は1kWhにつき1元であり、先進諸国の火力発電など在来電力価格並みである。先進国はソーラーの応用を積極的に支持し、ソーラーを化石エネルギーの代替技術とする条件を有している。

 しかし、アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、経済的視点から見て、太陽光発電産業は正しく生産能力過剰であり、製品価格の深刻な下落がその証拠であるとしている。深圳証券取引所に上場している企業の2011年度年報からも明らかなように、太陽光発電の純益は前年比23.5%ものマイナスになった。

 中国国内の有効な市場を欠く中で、米国の反補助金・反ダンピングの裁決によって中国の太陽光発電産業は厳しい冬へと押しやられる。このような状況について、梁志鵬副司長は、価格さえ引き下げれば太陽光発電に発展の余地が生まれると見ており、「太陽光発電が1kWhにつき0.6元の水準に下がれば、中国の太陽光発電には風力発電と同様の広大な市場がもたらされる」としている。

 (北京商報 5月29日)