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【石油・天然ガス】

中国海洋石油が海外の買収目標地域を確定 投資額49億ドル (2007/11/29)
2007/11/30
中国【石油・天然ガス】

中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)には、海外における買収の噂が最近頻繁に流れているが、昨日、同社副総経理・周守は、CNOOC Ltd.は海外での買収に前向きであり、世界各地の資産買収に48〜49億ドルを投じていると表明した。具体的な事業についてはコメントを避けた。

 海外における買収目標に関し、CNOOC Ltd.の楊華CFOは、アフリカ、アジア太平洋地区とともに、カスピ海もまたCNOOC Ltd.が中核業務を確立しようとしている目標地域であることを明らかにした。楊華によると、CNOOC Ltd.が上記3地域を選定したのは、現地の資源、財政政策や租税政策、政治リスク、経営リスク、環境リスクも含め総合リスクを考慮した上で、有利であると判断したからである。

 カスピ海地区には、30年来の世界最大の発見とされるKashagan油田がある。また、カザフスタン、イランやアゼルバイジャン等の主要石油産出国はカスピ海に隣接している。しかし、外国石油企業のカスピ海地区における投資は決して順風満帆ではない。例えば、イタリアのEniSpAが主導するKashagan油田開発ではコストや生産の遅れから紛糾が生じている。イランはウラン濃縮計画のため国際社会からの圧力を受けており、ロイヤル・ダッチ・シェルやフランスのトタルのイランにおける天然ガス資源開発計画も水泡に帰している。

 楊華は、CNOOC Ltd.はリスクを恐れないものの、リスクはコントロール可能なものでなければならないとし、カスピ海地区の資産買収を検討していることを明らかにした。また、ロシアについて、CNOOC Ltd.はロシア市場と対露投資に大きな関心を有してはいるが、CNOOC Ltd.はロシアに投資することはないと表明した。その理由として、ロシア市場はリスクが高く、CNOOC Ltd.の制御可能な範囲を超えていることを挙げた。

 楊華によると、CNOOC Ltd.は、石油価格が高騰する中では、焦って行動することはしない。CNOOC Ltd.の一番新しい海外での取引は、ナイジェリアのAkpo油田の株式の45%を23億ドルで買収した一件であるが、それもすでに2年近く前のことである。

 CNOOC Ltd.は海外における石油・天然ガス資源の獲得を強化するだけでなく、総合エネルギー企業を目指している。CNOOC Ltd.が投資だけでなく、独自に設計、建設を行った中国初の海上風力発電所が最近完成し、売電を開始した。CNOOC Ltd.は今後海上油田の集中電力管理を実施する。

 (中国石化新聞網・中国能源網 11月29日)