5月30日、国務院常務会議は《国家戦略的新興産業第12次５ヵ年発展規画》を議決した。同会議は、新エネルギー産業については、技術の成熟している原子力発電、風力発電、太陽光発電並びに太陽熱、バイオマス発電、メタン発酵ガス等を発展させ、再生可能エネルギー技術の産業化を積極的に推進することを打ち出した。

　同会議は、戦略的新興産業の発展は、重要な戦略任務であるとともに、当面の経済運営に対する圧力が大きくなる中で、経済の長期穏健かつ比較的急速な発展にとっても重要な意義を有すると指摘した。《国家戦略的新興産業第12次５ヵ年発展規画》は次のように7大戦略的新興産業の重点的発展方向と主要任務を提示した。

　（1）省エネ・環境保護産業…エネルギーの高効率・段階的利用、汚染防止と安全処置、資源リサイクル等のキーテクノロジー・コアテクノロジーにおいて打開を図り、高効率・省エネ、先進的環境保護ならびに資源リサイクルの新設備と新製品を発展させ、クリーン生産と低炭素技術を推進し、支柱産業を速やかに形成する。

　（2）次世代IT産業…次世代情報ネットワークの建設を加速し、超高速光ファイバー並びにワイヤレス通信、先進的半導体並びに新型ディスプレイなど次世代ITにおいて打開を図り、国際競争力を増強する。

　（3）バイオ産業…人民の健康、農業の発展、資源と環境の保護等の重要な需要向けに、バイオ資源の利用など共通キーテクノロジーと技術設備の開発を強化し、速やかに現代的バイオ産業体系を構築する。

　（4）ハイエンド設備製造業…現代的航空設備、衛星及び応用産業の発展に力を入れ、先進的軌道交通の設備開発水準を高め、海洋事業設備の発展を加速し、スマート製造設備の拡大強化を進めて、製造業のスマート化、精密化、グリーン化に向けた発展を促進する。

　（5）新エネルギー産業…技術の成熟している原子力発電、風力発電、太陽光発電並びに太陽熱、バイオマス発電、メタン発酵ガス等を発展させ、再生可能エネルギー技術の産業化を積極的に推進する。

　（6）新素材産業…新型機能性素材、先進的構造素材並びに複合素材の発展に力を入れ、共通基礎素材の研究と産業化を展開し、認証及び統計システムを確立し、素材工業の構造調整を誘導する。

　（7）新エネルギー車産業…高性能動力電池や電気機械等の最重要部品並びに素材のコアテクノロジーの研究開発及び応用を加速し、産業化体系を構築する。
　
　同会議は、戦略的新興産業の健全な発展を推進するためには市場による資源配置の基礎的作用を十分に発揮させ、最適な政策環境を重視して、市場主体の積極性を引き出さなければならないと強調し、また、自主イノベーションを強化して、自主発展能力を増強し、国際協力も強化して、開放的なイノベーションと国際化の道を歩むとしている。

　（中国政府網 5月31日）