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中国
【新エネルギー】

中国のバイオマスエネルギー開発は耕地の制約のためなお長い時間を要す (12/06/08)
2012/6/14
中国【新エネルギー】

 国務院新聞弁公室が主催した持続可能発展背景ブリーフィングにおいて、中国エネルギー研究会の周大地常務副理事長は、中国のバイオマスエネルギー開発は中国の可耕地によって大きな制約を受けていると指摘した。穀物の耕地18億ムーを確保することはすでに極めて困難になっており、世界の耕地の7%足らずで世界人口の20%を養うことは、いかに大きな努力を払っても極めて困難なものがある。そうしたことが前提である限り、大きな面積の穀物耕地を要し或いはサトウキビを栽培しなければならないバイオマスエネルギーは、中国においてはやはり実際上の制約を受けることになる。
 周大地氏によると、バイオマスエネルギーの最大基盤の一つは土地であるが、降水、温度など相応の自然条件も必要である。そのため、世界各国のバイオマスエネルギー開発状況には極めて大きな差異があり、自然条件が良好で、土地が豊かで、可耕地が多く、降水や日照条件に優れる国は、1人当たりのバイオマスエネルギー資源量が極めて大きい。そのような国、例えば米国やブラジルのような国では、バイオマスエネルギーは再生可能エネルギーを開発する上で重要な品目になっている。

 中国はバイオマスエネルギー開発に大きな努力を払ってきた。例えばソフトバイオマスの応用については、国内に数百万kWのソフトバイオマス焼却発電設備を有している。しかし、運営の段になって、バイオマスを十分に確保することが出来ないことが分かり、また、農作物など各種変化により、これらバイオマス発電所の運営には大きな課題が付きまとっている。

 周大地氏は、バイオマスエネルギーは今後とも中国の再生可能エネルギー開発の重要な領域であり、既存のバイオマスエネルギーを十分に利用しつつ、社会面の障害を解決することも必要であると指摘する。同時に、バイオマス技術の面でも大きな投資が必要である、例えば、次世代バイオマス発電技術、バイオマス利用技術、珪藻、セルロースなどの分野でもっと大きな努力を払う必要がある。しかし、本当に大規模な利用を実現しようとするならば、相当長い期間にわたって努力を続けなければならないだろう。

 (中国網 6月8日)