1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

黒龍江省「太陽エネルギー資源は国有企業に帰属 任意の開発は禁止」 (12/06/18)
2012/6/21
中国【新エネルギー】

 中国の太陽エネルギー資源は豊かであり、太陽光発電産業は急速に発展している。しかし、各地方の太陽エネルギー開発政策は一様ではない。黒龍江省は6月14日に公布した《黒龍江省気候資源探査並びに保護条例》において、企業の風力及び太陽エネルギー資源の探査開発には気象部門の承認を要するとともに、探査した資源は国の所有に帰属すると規定した。地方法規として気候資源の利用を規範化するのは中国初になる。

 黒龍江省人民代表大会法制工作委員会副主任の王去奇氏の説明によると、近年黒龍江省では一部の企業が風力や太陽エネルギー資源の探査開発を任意に進めていることが非常に突出した問題になっている。こうした問題を対象に、黒龍江省は全国に先駆けて《黒龍江省気候資源探査並びに保護条例》を公布し、企業の風力と太陽エネルギーの開発と探査に対して規範化を進めることになった。

 《黒龍江省気候資源探査並びに保護条例》の規定に基づき、企業が風力及び太陽エネルギー資源の探査開発を行う場合、気象部門の承認を要するとともに、探査した資源は国の所有に帰属する。

 国務院法制弁公室の甘蔵春副主任は15日に全国地方気象立法工作会議座談会において、中国は人口が多いだけでなく、気象災害が余りにも多すぎるため、気象立法がリードすべきであると表明し、地方も立法に当たっては気象資源の開発利用並びに保護の側面をもっと重視すべきであるとした。また、中国気象局長の鄭国光氏が同会議において明らかにしたところでは、20世紀における中国の気象災害は相対的に深刻であり、気象災害による死亡者は毎年平均4,700人近くに上っていたが、1999年に気象法が施行されてからは、気象災害による死亡者数と経済損失はいずれも低下傾向を示すようになった。しかし、依然として毎年3,000億元前後の経済損失がもたらされ、平均死亡者数も2,000人前後に上っている。

 鄭国光局長の指摘によると、気象法によって気象施設の建設並びに管理、気象観測、気象予報並びに災害天候警報、気象災害防止並びに気象資源開発利用等の活動が規範化され、気象部門が中央政府並びに地方政府の二重の計画体制並びに相応する財政チャンネルを実施することが明確にされて、中央政府と地方政府の気象事業発展に対する積極性が引き出された。

 企業の風力と太陽エネルギー資源の探査開発が気象部門の承認を要するとともに、探査した資源が国の所有に帰属することになれば、企業はどこに収益を求めれば良いのだろうか。こうした状況で探査を行う企業があるのだろうか。あるいはこれは国有企業が太陽光発電産業の主体になる前兆なのだろうか。太陽エネルギーはそもそも国有に帰属するのだろうか。

 (Ofweek太陽能光伏網 6月18日)