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中国
【新エネルギー】

中国科学院が低風速風力発電開発に照準 (12/07/14)
2012/7/20
中国【新エネルギー】

 中国科学院工程熱物理研究所の趙暁路研究員は、中国の風力資源の特徴に基づいて、抗台風風力発電ブレード、低風速ブレード、バイオニックブレードや低騒音ブレードなど一連の技術研究が当面及び将来のブレード研究開発の動向になると指摘した。

 これより先、中国科学院工程熱物理研究所と河北保定華翼風電ブレード研究開発有限公司による「中国の風力資源状況に適した系列化風力ブレード研究開発」の科学研究成果が審査委員会の審査にパスしていた。華翼風電の劉従慶副総経理(副社長)によると、このプロジェクトは中国の低風速風力発電所の建設を後押しするものになる。

 中国の風力資源は豊かであるが、地域によって気候環境や風力資源の差が大きい。目下中国の大規模風力開発利用は風力資源の豊かな高風速エリアに集中しているが、劉従慶副総経理によると、中国の利用可能な低風速資源は、面積では全国の風力資源エリアの68%を占め、しかも電力負荷の中心に近く、主に福建、広東、広西、安徽、湖南、湖北、江西、四川、雲南、貴州に集中している。 「中国の低風速発電開発は未だ初級段階に止まっている」と、趙暁路研究員は言う。地域によって風力資源の特性が異なり、ブレード設計にも地域や気候の特徴によって様々な条件が求められる。また、中国の海上風力資源も豊かであり、海上風力ブレードの開発も必然の発展方向になる。同時に、ブレードの大型化に伴い、ブレードの輸送コストを引き下げ、輸送の安全性を確保するため、分解式ブレードの開発も必然になる。ブレードのサイズと重量が大きくなるにつれて、風力発電機の制御はますます困難になり、そのためスマートブレードも風力発電技術研究の重要な方向性の一つになる。

 低風速エリアは風力のエネルギー密度が低く、風力発電機はより大きなブレードを採用と最適設計によってより多くの風力を捕捉して、発電効率を高める必要がある。ブレードの大型化に伴い、ブレードの品質と風荷重をどのようにコントロールするかが低風速ブレード設計の難題になる。
 趙暁路研究員によると、「中国の風力資源状況に適した系列化風力ブレード研究開発」では主に空気の動きと構造の2つの側面から措置を講じ、風荷重を下げ重量を抑えることを目標にするとともに、年間発電量を目標として考慮に入れてブレード設計の最適化を進めた。 

 同プロジェクトでは1.5MWの38m、40.3m、42.8mのブレードシリーズの設計、製造、検査を完了し、ロット生産を実現している。同時に、この設計技術を2.5MW及び3MWのブレードにも応用している。

 今年初め、中国科学院の「中国の風力資源状況に適した系列化風力ブレード研究開発」成果審査会が開かれた。審査委員会は、同研究成果は国際先進水準に達しており、中国の自主開発によるブレードの設計と技術の対外輸出を実現したと評価した。劉従慶氏によると、同研究による3つの規格のブレードが新疆、内蒙古、寧夏、河北等で応用されている。

 (新華網 7月14日)