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【新エネルギー】

中国風力発電企業の海外市場進出が加速 (12/07/23)
2012/8/2
中国【新エネルギー】

 中国の風力発電企業のタービン販売額は2011年に世界の総販売額の30%以上を占めた。このことから中国の風力発電企業は海外市場への進出を加速させていることが見て取れる。中国の風力発電企業が海外に業務を拡張している原因として、中国は世界最大のタービン市場であるが、送電網のボトルネックや新しいタービン認証手続きの遅れなどに影響され、設備容量の増加が頭打ちになっていることがある。

 アナリストによると、中国の再生可能エネルギー企業は米国市場において度々政界のボイコットに直面し、反ダンピング関税を課されているため、非西側市場は中国企業にとってますます大きな吸引力を有するようになっている。こうした急速に発展する新興風力発電市場において、中国のタービンメーカーは競争力のある価格と融資能力をもって競争に参加しようとしている。

 中国のタービン輸出量は極めて小さく、世界の設備容量のわずか1%に過ぎない。しかし、世界シェア第2位の華鋭風電や第3位の金鳳科技も含め、ますます多くの中国企業が海外に工場を建設して現地の風力発電市場の需要を賄おうとしている。

 米国の風力発電補助金が未確定であることや欧州債務危機の悪化などで、米国と欧州という世界最大の風力発電市場では設備容量の伸びが鈍化すると予想される。世界の風力発電市場は不景気であり、利益が見込まれる新興風力発電市場の競争はさらに熾烈の度を加える。中国で売上第4位の明陽風電の張伝衛CEOは「昨年以来風力発電とソーラー市場の全体的状況が不安定であることから、途上国市場に注力する絶好の機会であると考えている。中国以外では、インドが風力発電とソーラー市場が最も急速にかつ最も活発に発展している市場だ」と述べた。明陽公司はインド市場のみならず、アフリカや東欧などの諸国にも関心を寄せている。

 明陽は最近Anil Ambani傘下のReliance Powerとの間で、インドのGlobal Wind Power株の55%を2,500万ドルで買収することを合意した。両者の協力協議条項によると、明陽はReliance Powerと協力して、インドに風力発電とソーラーの設備容量2.5GWを建設することになる。この数字は明陽の現在の世界での受注量の16倍に当たる。関連データによると、2011年末時点でアフリカと中東を合わせた風力発電設備容量は世界の風力発電総容量の1%足らずであり、ラテンアメリカとカリブ海地区の風力発電設備の合計は世界のわずか1.3%である。途上国市場が依然として小さすぎることが分かる。エネルギーコンサルティング会社AzureのDirector of Research and AdvisoryであるSebastian Meyer氏は、「北米と欧州の風力発電市場は比較的安定しているが、発展の余地は小さく、伸び幅は縮小すると予想される。途上国市場は今後数十年、風力発電分野では主要成長地域になるだろう」と指摘する。

 (中国投資諮詢網 7月23日)