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【電力】

送電容量中国最大の特高圧直流送電プロジェクトが着工 (12/07/30)
2012/8/5
中国【電力】

 送電容量が中国最大になる特高圧直流送電プロジェクトが7月28日に着工された。この送電線は、西は四川省宜賓から東は浙江省金華まで全長1,679.9キロ。2014年に完成すると、水力発電による電力を浙江省へ年間約400億kWh送ることが出来る。

 7月28日午前、国家電網公司の溪洛渡左岸−浙江省金華±800kV特高圧直流送電プロジェクト着工動員大会が成都で開かれ、四川省を起点とする3本目の±800kV特高圧直流送電プロジェクトが全面建設段階に進んだ。この送電線は四川省宜賓双龍コンバーターステーションから、貴州、江西、湖南省を経由して浙江省の金華コンバーターステーションまで全長約1,680キロ。総投資額は238億5,500万元、定格送電出力は800万kWになり、2014年に完成、稼動の予定である。沿線は地質や気候条件が複雑であり、建設の難度も高い。

 溪洛渡左岸−浙江省金華±800kV特高圧直流送電プロジェクトは、中国西南の水力発電基地と東部の電力負荷のセンターを結ぶ大規模エネルギールートであり、「川電外送」と西部大開発の民生プロジェクトになる。このプロジェクトは西部のクリーン・エネルギーの開発を加速させ、より広い範囲での最適配置を推進することに役立つ。西部地区が資源優位から経済優位に転換することを促し、地域経済の均衡の取れた発展を実現するとともに、経済発達地区の土地と環境保護面の圧力を緩和し、中国のエネルギー生産利用方式の変革を推進するなど極めて重要な意義を有する。溪洛渡左岸−浙江省金華プロジェクトは完成済みの特高圧直流プロジェクトと比べて、送電容量がより一層大きく、技術水準はますます先進的になり、国産化水準がさらに高まり、特高圧直流送電技術の遠距離・大容量・高効率の優位をより一層発揮するものになる。±800kV直流送電技術を大規模応用へと進める標準化プロジェクトであり、大きなデモンストレーション効果を備える。

 中国の水力資源の理論埋蔵量は6.94億kW、技術的開発可能量は5.42億kW、経済的開発可能量は4.02億kWになるが、その中で四川省の理論埋蔵量は1.43億kW、技術的開発可能量は1.2億kW、経済的開発可能量は1.2億kWに達し、いずれも中国全体の約4分の1を占める。「最初の向家ハ−上海±800kV特高圧直流送電モデルプロジェクトはすでに累計送電量が155億kWhに上っている。2本目の錦屏−蘇南±800kV特高圧直流送電プロジェクトは、全線開通すると送電能力が720万kWになる。このプロジェクトは2012年末に完成、稼動する」と、国家電網公司の関係者は説明する。2015年には四川省に「2交流・4直流」の特高圧送電プロジェクトが完成することになる。特高圧送電プロジェクトの建設によって、水力発電の「蜀の道」が開かれ、北方の火力発電と西南の水力発電の相互融通が実現する。四川省が増水期に送電できず、渇水期に電力を調達できないというこれまでの突出した矛盾は徹底的な解決が可能になる。溪洛渡左岸−浙江省金華±800kV特高圧直流送電プロジェクトが完成すると、浙江地区に年間約400億kWhの水力発電によるクリーンな電力を送ることが出来る。これは標準炭に換算すると1,228万トンになり、二酸化炭素を3,400万トン以上削減することになる。

 (中国新聞網 7月30日)