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【新エネルギー】

再生可能エネルギー発展第12次5ヵ年規画が公布 (12/08/07)
2012/8/16
中国【新エネルギー】

 国家能源局が策定した《再生可能エネルギー発展第12次5ヵ年規画》及び水力発電、風力発電、太陽エネルギー、バイオマスエネルギーの4つの専門規画が8月6日に正式公布された。

 国家能源局新エネルギー司の王駿司長によると、同規画は、市場システムと政策支援、集中開発と分散利用、大規模開発と産業のグレードアップ、国内の発展と国際協力を結び付けることを基本原則とする。

 同規画の第12次5ヵ年規画期における再生可能エネルギーの総合開発目標として、2015年までに再生可能エネルギー年間利用量を4.78億tce(標準炭換算トン)とし、その中で商品化エネルギーの年間利用量を4億tceとして、エネルギー消費に占める比率を9.5%以上とする。

 2015年の各種再生可能エネルギーの発展目標は、水力発電設備容量2.9億kW、風力発電累計系統連系容量1億kW、ソーラー発電2,100万kW、太陽熱利用の累計集熱面積4億m2、バイオマスエネルギー利用量5,000万tceになる。また、国は第12次5ヵ年規画期に、100の新エネルギーモデル都市、200のグリーンエネルギー県、30の新エネルギーマイクログリッドモデルプロジェクトを建設し、再生可能エネルギー利用総合モデル区を創建する。同時に、地熱エネルギー、海洋エネルギーなど新たな再生可能エネルギー技術の進歩と産業化を推進する。

 《再生可能エネルギー発展第12次5ヵ年規画》の主な指標

(1)エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を大幅に引き上げる。2015年までに全ての再生可能エネルギー利用量を4.78億tceとし、その中で商品化エネルギーの年間利用量を4億tceとして、エネルギー消費に占める比率を9.5%以上とする。

(2)電力系統において再生可能エネルギーを重要な電源に昇格させる。第12次5ヵ年規画期の新規再生可能エネルギー発電設備容量を1.6億kWとし、うち在来型水力発電を6,000万kW、風力発電を7,000万kW、ソーラー発電を2,000万kW、バイオマス発電を750万kWとする。2015年には再生可能エネルギーの発電量が総発電量の20%以上を占めるようにする。

(3)熱供給と燃料利用において再生可能エネルギーが化石エネルギーに顕著に取って代わるようにする。太陽熱の利用規模を拡大し、中低温地熱の直接利用とヒートポンプ技術の応用を推進する。バイオブリケットとバイオマスコージェネレーションを推進し、メタン発酵ガスなど各種バイオマスガスの開発を加速する。2015年には再生可能エネルギーが熱供給と民生用燃料において年間約1億tceの化石エネルギーに代替するようにする。

(4)分散型再生可能エネルギーの比較的大きい応用規模を形成する。ソーラー等の分散型発電に適応する電力グリッド技術サポート体系と管理体制を確立する。30件の新エネルギーマイクログリッドプロジェクトを建設し、ソーラー等各種分散型発電と再生可能エネルギーの熱供給や燃料としての利用など、多元的な再生可能エネルギー技術を総合して、100の新エネルギーモデル都市と200のグリーンエネルギーモデル県を建設する。分散型エネルギーの優越性を生かして、電力グリッドがカバーしていないエリアの電力未開通問題を解決する。メタン発酵ガス、ソーラー、バイオマスエネルギーの農村世帯普及率を50%以上にする。

 また、同規画は、第12次5ヵ年規画期に再生可能エネルギーの発展を支える政策体系を確立して、再生可能エネルギー技術のイノベーションと産業の進歩を促進するとしており、再生可能エネルギーの市場規模を拡大し、エネルギー構造に占める再生可能エネルギーの比率を高めるよう努めることになる。

 12次5ヵ年規画期における再生可能エネルギー8大重点プロジェクト

  第12次5ヵ年規画期には次の8件の重要プロジェクトを建設することによって、再生可能エネルギーの全面的な開発と利用を促進する。

(1)大型水力発電基地の建設。水力資源が豊かで集中している河川において開発を優先し、1,000万kWクラスの大型水力発電基地を10ヵ所建設する。金沙江中下流、雅●江、大渡河、瀾滄江中下流、黄河上龍、雅魯藏布江中流などの流域において水力発電開発を重点的に進め、金沙江上流、瀾滄江上流や怒江等の流域において水力発電開発に着手する。

(2)大型風力発電基地の建設。「三北」(東北・西北・華北)及び沿海地区において1,000万kW級風力発電基地の重点建設を進める。河北、内蒙古東部、内蒙古西部、甘粛省酒泉地区、新疆ハミ地区、吉林省、黒龍江省及び江蘇省と山東省の沿海地区など。

(3)洋上風力発電所の建設。江蘇、山東、河北、上海、広東、浙江等の沿海省に一群の洋上風力発電モデルプロジェクトを建設する。モデルプロジェクトによって、洋上風力発電技術の進歩と設備の総合能力向上を促進する。

(4)ソーラー発電基地の建設。甘粛、青海、新疆など太陽エネルギーが豊かで、砂漠など休眠地の多い地区に一群の大型太陽光発電所を建設する。水力発電、風力発電の開発状況や系統連系条件に合わせて、水力と太陽光、風力と太陽光のハイブリッドシステムを開発し、複数のソーラー発電基地を建設する。

(5)バイオマス代替燃料。バイオマスエネルギー製品の多様性を生かして、バイオマス代替燃料プロジェクトを推進する。村々メタン発酵ガスプロジェクト及び大型バイオマスガス化プロジェクトを建設して、民生用クリーンガス需要を賄うとともに、余剰のガスで発電を行うよう奨励する。塩性アルカリ地、荒れ草地、荒れ山・荒れ地等の限界地を合理的に開発し、非穀物系バイオ液体燃料モデルプロジェクトの建設を展開して、自動車用燃料に代替させる。バイオブリケットの生産・貯蔵・輸送・使用のシステムを確立し、都市部においてバイオブリケットによる集中熱供給を広げ、農村部では炊事・暖房用のクリーン燃料として普及させる。

(6)グリーンエネルギーモデル県の建設。再生可能エネルギー資源の豊かな地区において、グリーンエネルギーモデル県の建設を支援する。整ったグリーンエネルギー利用体系を構築する。農林廃棄物をバイオマスエネルギー資源として合理的に開発利用するよう奨励する。農民の生産及び生活用エネルギー利用の条件を改善する。小都市が各地の状況に応じて中小型再生可能エネルギー開発利用施設を開発して、電力、ガスや熱供給など各種エネルギー需要を賄うことを支援する。

(7)新エネルギーモデル都市の建設。資源が豊富で都市生態環境保護の要望が大きく、経済条件の比較的良好な都市において、多機能・相互補完を原則として、ソーラー、バイオマス、地熱等の新エネルギーの小範囲での応用を奨励する。各地の工業団地においてソーラーなど先進的かつ多様な新エネルギー利用技術のデモンストレーションを展開し、工業団地内の電力、熱供給、冷却等の総合エネルギー需要を賄う。

(8)新エネルギーマイクログリッドモデルプロジェクトの建設。再生可能エネルギー資源が豊かで多元的な利用条件を備える地区に小型風力発電、ソーラー、水力設備並びに蓄エネルギー施設からなるマイクログリッドを建設する。スマートグリッド技術が支えとなり、新エネルギー発電を主とし、他の電源及び大型電力グリッドからの電力供給を従とする新型電力供給使用モデルを展開する。

 (中国能源網 8月7日)

 ●…「龍」の下に「石」