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【新エネルギー】

コスト上昇と政策の力不足で江蘇省のバイオマス発電が軒並み赤字に (12/08/16)
2012/8/23
中国【新エネルギー】

 江蘇省電力事業協会の発表によると、同省の稼動済みバイオマス発電所13社の全てが赤字である。業界関係者は、回収コストの増加や政策支援の不足が赤字の重要な原因であると見ている。

 2006年から現時点にかけて、江蘇省国信資産管理集団有限公司だけも如東、淮安、泗陽、塩城の4か所にバイオマス発電所を建設し、投資額は累計10億元超に上っているが、どの発電所も全て長期赤字である。かつて設備容量「世界第3位・中国第1位」と呼ばれた興化中科バイオマス発電所は稼動から1年足も経たないうちに巨額の赤字のため停止された。

 中投顧問公司の新エネルギー産業研究員である沈宏文氏によると、バイオマス発電所の赤字には多重の原因があるが、特に回収コストの増加が収益能力を大幅に制約している。人件費が上昇し、くずわらの遠距離収集がますます難しくなって、バイオマス発電所は「原料不足」に直面しているのである。

 また、1kWhにつき0.75元の系統連系価格を適用されているものの、それ以外に計画、土地利用、環境保護、課税面の優遇はなく、政策面からのバイオマスエネルギーに対する支援は弱い。第12次5ヵ年規画には「メタン発酵ガス、作物のくずわら及び林業廃棄物の利用などバイオマスエネルギーの発展に力を入れる」ことが明確にされているにも関わらず、現在のところ、バイオマス発電は市場において適正に応用されていない。
 
 (財経網 8月16日)