1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

国家能源局が石炭企業の合併再編を加速 (12/08/17)
2012/8/23
中国【石炭】

 経済の減速、石炭需要の低迷と供給過剰を背景に多くの石炭企業の赤字が深刻化しているため、合併再編の難度は大幅に下がり、今後石炭企業の統廃合が加速される見込みである。先日、国家能源局の呉吟副局長は、中国の経済成長減速という大きな背景の下で、炭鉱企業の合併再編プロセスを加速させ、老朽化生産能力を淘汰し、炭鉱の不法建設と能力超過生産を厳正に摘発すると表明した。

 今年上半期の中国の石炭消費総量は約19.7億トン、前年同期比2.8%増で、伸び率は前年同期を6.6ポイント下回った。しかし、消費の低迷にも関わらず、石炭生産は依然として高い成長を維持し、上半期の生産量は19.1億トン、前年同期比の伸び率は5.6%になり、消費の伸び率を大きく上回った。供給過剰の傾向はますます顕著になっている。消費の伸び率の低下とは対照的に、石炭在庫は上昇し、6月末には2.78億トンに達した。うち石炭企業の在庫は6,623万トン、前年同期比40.9%増、重点発電企業の在庫は9,136万トン、39.5%増。

 アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任によると、経済成長の鈍化が石炭消費低迷の主要原因である。経済不振のため大多数の企業の石炭消費の伸び率が下がり、生産が消費を大きく上回る現象がもたらされ、生産能力過剰を招いた。加えて、新エネルギー産業の急速な発展も石炭消費に一定の影響を及ぼしている。

 石炭価格が下落し販売が低迷する中で多数の石炭企業に赤字が発生している。中国石炭輸送販売協会の梁敦仕副事務局長によると、1〜5月に大手石炭企業90社に赤字が発生し、また、6月末の大手90社の売掛金は前年同期比52.8%増加した。「石炭市場が供給過剰のため、石炭企業の合併再編が市場への供給に与える影響を最小限にすることが出来る。その上、石炭価格が下落して、大多数の石炭企業が赤字になっているので、合併再編はますます容易になっている。今は石炭企業の合併再編を推進する絶好のチャンスだ。国が次々と奨励策を打ち出せば、今後石炭企業の合併再編がスピードアップするだろう」と、林伯強主任は言う。

 (中財網 8月17日)