1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

ハードランディングに直面する中国の太陽光発電産業 (12/08/20)
2012/8/27
中国【新エネルギー】

 太陽光発電産業は高付加価値の新興産業からすでに生産能力過剰の在来産業に退化している。

 政府は環境保護への配慮から太陽光発電産業を強力に推進し、太陽光発電電力価格への助成を進め、これによりソーラー等のグリーンエネルギーの発展が推進された。しかし、発電事業者にとって太陽光発電所建設の鍵は、補助金のレベル、建造費、発電コストを衡量した上で、在来型エネルギーよりも高い収益を上げることが出来るかどうかにかかっている。

 世界最大のソーラー市場である欧州では債務危機勃発後、各国政府が歳出を減らし、太陽光発電への補助金は大幅に下がった。同時に発電所への融資にも問題が生じ、太陽光発電設備の需要は大幅に制約されることになった。

 2008年まで世界経済の好況に伴って国際石油価格の上昇が続き、1バレル147ドルの史上最高値に達した。その結果、価格比較の効用で太陽光発電所の建設が刺激された。しかし、ここ2年、石油価格は1バレル80〜100ドルを維持し、太陽光発電に対する推進効果が下がっている。太陽光発電の市場は広大であるかに見えるが、補助金への過度の依存と在来型エネルギーとの価格比較、国際市場への顕著な依存など制御不可能なファクターが多すぎる。

 中国の太陽光発電企業のほとんどはポリシリコン、電池ユニット等の生産と販売に集中し、各メーカーの製品の大多数は同質化して、様々なルートから資本が流入した。さらに地方政府の強力な支援や生産のハードルが高くないことも相まって、生産能力は急速に拡大したものの、大規模生産に依存して確立されたコスト上の優位は決して高いものではない。今や産業全体に顕著な生産能力過剰と熾烈な競争が発生し、最終的に低価格競争と反ダンピングをもたらした。

 (中国能源網 8月20日)