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【省エネ・環境】

《省エネ・排出削減第12次5ヵ年規画》が公布 第12次5ヵ年規画期に2,000万kWの小型火力発電を淘汰 (12/08/22)
2012/8/30
中国【省エネ・環境】

 国務院は先日《省エネ・排出削減第12次5ヵ年規画》を示達し、2015年には全国のGDP1万元当たりのエネルギー消費を0.869tce(標準炭換算トン)に引き下げ、第12次5ヵ年規画期に6.7億tceの省エネを実現し、小型火力発電2,000万kWを淘汰することを明確に打ち出した。

 電力効率向上と小型火力発電2,000万kWの淘汰

 《省エネ・排出削減第12次5ヵ年規画》は、小型火力発電2,000万kW、製鉄能力4,800万トン、製鋼能力4,800万トン、セメント生産能力3.7億トン、コークス生産能力4,200万トン、製紙能力1,500万トンなどの淘汰を打ち出している。

 小型火力発電の重点的淘汰については、大型電力網の範囲内において単機容量10万kW以下の在来型石炭火力発電ユニット、単機容量5万kW以下の在来型小型火力発電ユニット及び発電を主とする燃油ボイラー及び発電ユニット(5万kW以下)を淘汰する。また、大型電力網の範囲内で設計寿命が満了した単機容量20万kW以下の在来型石炭火力発電ユニットも淘汰する。

 また、同規画は、火力発電の石炭消費を2010年の333gce/kWhから2015年には325gce/kWhに引き下げ、電力網の総合ロス率についても、2010年の6.53%から2015年には6.3%に引き下げるとしている。

 同規画は、高効率ガス蒸気コンバインドサイクル発電所の建設を奨励し、石炭ガス化複合発電技術(IGCC)及び石炭ガス化を主とする複合生産技術のデモンストレーションを強化する。熱電併給を発展させ、スマートグリッドの建設を加速する。現役の発電機と電力網の技術改良を加速して、発電所の電力使用率と送配電ロスを下げる。

 2015年までに全国の現役石炭火力発電ユニット5,056万kWに対する脱硫設備の建設を完了する。脱硫設備を設置済みであるが安定的に基準に達していない石炭火力発電ユニット4,267万kWについては、脱硫の改良を実施する。現役石炭火力発電ユニット4億kWに対する脱硝設備建設を完了し、7,000万kWの石炭火力発電ユニットに対して低窒素燃焼技術改良を施す。2015年までには石炭火力発電ユニットの脱硫効率を95%とし、脱硝効率を75%以上にする。

 契約型エネルギー管理を推進し省エネサービス産業の生産高を3,000億元に

 同規画は、《契約型エネルギー管理の推進と省エネサービス産業発展の促進に関する意見通達》を着実に貫徹実施し、省エネサービス公司が技術の研究開発、サービスのイノベーション、人材育成やブランド確立を強化し、資金調達能力を高めて、商業モデルの模索と完備を進めるよう誘導するとしている。また、大型重点エネルギー使用機関が自身の技術優勢と管理のノウハウを活用して専門化エネルギー再生可能エネルギー公司を組織することを奨励する。公共機関が省エネに向けた改良を実施する場合は、契約型エネルギー管理方式を優先的に採用する。契約型エネルギー管理事業に対する融資支援を強化し、銀行等の金融機関が契約型エネルギー管理事業に対して臨機応変で多様な金融サービスを提供することを奨励する。第三者の認証・評価機関を積極的に育成する。

 2015年には比較的整った省エネサービス体系を確立し、省エネサービス公司を2,000社以上に増やし、うち基幹企業が20社に達するようにする。省エネサービス産業の総生産高を3,000億元とし、就業者数を50万人にする。第12次5ヵ年規画期に6,000万tceの省エネ能力を形成する。

 同規画は資源的製品価格改革の面では、石炭・電気・石油・水道・鉱産等の価格関係を合理的なものにし、市場の需給関係や資源不足の程度、環境損害コストを反映する価格形成の仕組みを確立するよう提唱している。差別電力価格、ピーク・オフピーク電力価格や懲罰的電力価格を完備し、余熱・余圧発電及び炭層ガス発電を奨励する系統連系対策を速やかに策定する。民生用電気の段階式料金を全面的に推進する。脱硫電力価格を厳正に適用し、石炭火力発電所の排煙脱硝電力価格措置の検討と完備を進める。

 (英大網 8月22日)