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中国
【エネルギー全般・政治経済】

第12次5ヵ年規画期に石炭液化事業が続々着工もエネルギー開発の主流には不適との指摘 (12/09/03)
2012/9/9
中国【エネルギー全般・政治経済】

 神華集団は同社初のサービスステーションをオルドスで正式に開業すると発表した。神華オルドス煤製油分公司の生産する石炭液化油による石油製品を主に販売する。神華集団は今後、内蒙古及び周辺地区にも拡張し、多数の石炭液化油サービスステーションを建設するとしている。石炭在庫が山積し石炭企業の業績が大きく悪化している中、このニュースは石炭産業にとってささやかな慰めになった。

 また、国家能源局筋が明らかにしたところでは、発展改革委員会が受理した各地の大型石炭化学工業の申請事業は104件になり、投資額はすでに2兆元に達している。これらのプロジェクトは第12次5ヵ年規画期に着工される計画である。

 石炭液化事業は、資源消費が大きい、コストが高い、汚染が深刻、水消費が大きいなど弊害が多いことから、国家発展改革委員会は2008年に石炭液化事業に対する管理の強化を示達し、神華の実証プロジェクトを除いて、石炭液化事業を一律停止した。

 然るに、2ヵ月前、「全国で初めて石炭液化油を生産した」●安集団の540万トン石炭液化事業が国家発展改革委員会の承認を得たことが明らかになった。伊泰集団も第1期の年産16万トンのプロジェクトに加え、年産200万トンの石炭間接液化プロジェクトも立ち上げていることを明らかにした。この事業はすでに国家発展改革委員会に承認申請を行っており、近日中に承認される見込みである。こうした種々の兆しは、経済の下振れ圧力の下で、これまで引き締められていた石炭化学事業が緩和されつつあることが示している。

 但し、業界関係者によると、当面の情勢を見る限り、石炭液化プロジェクトは資源面や環境面で支払うべき代償が相対的に大きく、中国のエネルギー戦略から見ると、エネルギー開発の主流には適していない。もっとも、石炭液化技術を把握することは必要であり、そうすることで、国のエネルギー戦略にオプションを残し、石油に完全に依存する弊害を改めることが出来る。将来もし石油供給に不測の事態が生じた時でも人に制されることはない。

 (中国能源網 9月3日)

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