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中国
【エネルギー全般・政治経済】

民間資本のシェールガス入札参加に業界の専門家から異論 (12/09/10)
2012/9/19
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国土資源部は9月10日、オフィシャルサイトにおいて、中国のシェールガスの探査と開発を加速するため、シェールガス探鉱権の国内公開入札を実施すると公示した。今回の入札では20鉱区を対象とし、総面積は2万平方キロになる。対象鉱区は、重慶、貴州、湖北、湖南、江西、浙江、安徽、河南の8省・直轄市に分布している。

 公示によると、シェールガス入札に参加できるのは、中国で登記した資本金3億元以上にして、石油・天然ガス又はガス体鉱産の探査資格を有する企業・事業機関もしくは探査資格を有する企業と協力関係にある内資企業並びに中国側が経営権を有する合弁企業。今回の入札は中国のシェールガス探鉱権を対象に行われる初の開放的な公開入札になる。シェールガスは2011年末に独立鉱種として承認された。つまり、シェールガスの探査開発は、石油・天然ガス独占営業権による拘束の対象外になったのである。2011年6月、国土資源部はシェールガス探鉱権の入札を初めて執行したが、その時は指名入札方式を取り、指名されたのは三大石油公司も含む国有企業6社だけであった。

 国土資源部筋によると、同部は長年にわたり社会資本のシェールガスの探査開発参入を奨励するために様々な措置を採ってきており、今回の公開入札もシェールガスを民間資本に開放するシンボルになる。

 しかしながら、一部の専門家は民間資本のシェールガス市場参入の見通しは良好ではないと考えている。某鉱産資源研究部門の専門家は、今回の入札では、所要の資格を備えているかもしくは中国国内の有資格企業と協力で合意していることが入札参加の条件になる。また、同氏が強調するところによると、現状では、石油・天然ガス又はガス体鉱産の探査資格を有する内資企業や、中国側が経営権を有する合弁企業の大多数は「中国石油御三家」(CNPC・SINOPEC・CNOOC)と不可分の関係にあるため、御三家の態度が入札の動向を大きく左右することになる。国土資源部は民間資本のシェールガス市場参入を奨励するために前向きに措置を講じているが、民間企業がシェールガス市場において真の意味で差別のない待遇を受けるには極めて長い時間がかかるだろう。

 (中国能源網 9月10日)