1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

「中国式」の非在来型資源開発を実現せよ (12/09/20)
2012/9/26
中国【石油・天然ガス】

 9月16日、第3回国際エネルギー焦点問題高層フォーラムにおいて、中国工程院院士であり著名な石油・天然ガス探査開発の専門家である胡文瑞氏は非在来型天然ガス資源開発問題について講演を行った。講演要旨は次の通りである。

 中国の非在来型資源開発は、従来とは異なる開発の道を歩む必要がある。中国の非在来型天然ガス開発は未だ初級段階にある。中でもシェールガスは近年最も注目を集め、しかも積極的に開発が模索されている非在来型資源である。第12次5ヵ年規画は、2015年にシェールガスの大規模生産を基本的に実現し、年産量を65億m3にすることを打ち出している。また、シェールガス探査開発のキーテクノロジーにおいてブレークスルーを図り、主要設備の国産化を実現し、一連の国家級のシェールガス技術標準と規範を整備し、整ったシェールガス産業政策体系を確立して第13次5ヵ年規画期におけるシェールガスの急速な発展のために堅実な基礎を固めるとしている。

 中国は優れたシェールガスの資源的基礎を有しているが、未解決の問題が依然極めて多く、シェールガス開発の任務は長い道のりになる。第1に、中国のシェールガス資源の多くは山地や丘陵地区にあり、探査開発に極めて大きな困難が伴う。第2に、シェールガスの採掘コストは極めて高くなるが、ガス井当たりの生産量は小さい。中国の石油・天然ガス開発の主力は国有企業であり、資金力の弱い民営企業のシェールガス開発には困難が重なる。第3に、シェールガス開発には大量の水資源を要するが、中国でシェールガス鉱床が発見されている地区は概ね水が不足している。その他にも中国には市場による合理的な価格決定の仕組みや、整った監督管理体制を欠いている。

 一方、世界的なエネルギー専門家でありケンブリッジ・エネルギー・リサーチ・アソシエイツ代表のダニエル•ヤーギン博士は、中国の非在来型資源開発をめぐる問題について、系統的な蓄積と開発経験こそが中国の非在来型天然ガス開発にとって最も重要であると表明した。中国の非在来型天然ガスの大規模開発にはまだまだ時間がかかり、米国は20年間かけてようやく成熟した非在来型天然ガス開発能力を備えたが、中国がこうした能力を蓄積するには5〜10年が必要であり、この期間は開発コストをいかにして引き下げるかが大きな鍵になるとのこと。

 胡文瑞氏もまた、国内外の成功経験を見る限り、「技術優先・低コスト開発」の発展構想に従って、協同イノベーションと共同開発の道を歩み、「簡易・節約・新技術の適用」と「全てにおいて実際の効果を重視する」ことを原則として、「中国式」の非在来型資源開発を実現しなければならないと指摘した。

 (中国能源網 9月20日)