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【新エネルギー】

中国の太陽光発電産業が欧米印の「三正面挟撃」に直面 (12/09/20)
2012/9/26
中国【新エネルギー】

 先日、インドの企業は中国の太陽光発電製品に対する反ダンピング調査を申請し、中国の太陽光発電産業は、欧米印からの「三正面挟撃」に直面することになった。中国太陽光発電製品に対する反ダンピング調査の「ドミノ効果」は業界を危惧させている。もっとも、商務部は9月19日、EUの多くの諸国が対話と交渉と協力によって紛争を解決したいとの意向であり、史上最大の貿易紛争に対して前向きのシグナルを発していると指摘した。

 欧米印の「三正面挟撃」に直面

 2011年10月、米国の太陽電池メーカーSolar Worldが中国の関連企業75社に対する「反ダンピング・反補助金調査」を要求し、米国は即座に立件、調査した。今年3月、米国商務省は中国が米国に輸出する太陽電池に2.9〜4.73%の反補助金税を課すことを決定した。さらに、5月17日、商務省は中国から輸入する太陽光発電製品(主に太陽電池)に31.14〜249.96%もの高率の反ダンピング税を課すとの決定を発表した。

 今年7月にはドイツの太陽光発電メーカーが中国に対する「反ダンピング調査」をEUに申請し、9月6日、欧州委員会は反ダンピング調査の開始を決定した。これは中国に対する過去最大の貿易訴訟になり、対象金額は200億ドルを超える。

 欧米市場が相次いで失陥する中、インドはポテンシャルの最も大きい新興市場であり、多くの企業にとって未来の希望である。しかし、インドの反ダンピング局は9月12日、マレーシア、中国、台湾、米国原産の製品もしくはそれら諸国から輸出される太陽電池モジュールまたは一部モジュールに対して反ダンピング調査を求めるインド企業の申請を受理したと布告した。ここに到って、中国の太陽光発電産業は三正面挟撃に直面することになった。さらに中国の業界を危惧させているのは、中国に対する反ダンピングの波がさらなる「ドミノ効果」を生み、もっと多くの新興市場国が追随して、中国の太陽光発電産業に致命的な打撃を与えることである。

 中国の太陽光発電大手が相次いでリストラ

 商務部によると、EUは中国の太陽光発電製品の最も主要な輸出市場であり、60%前後の比率を占める。EUの反ダンピング調査は中国の200億ドルもの輸出に影響し、1,000社以上の中国企業と40万人余りの雇用にも関わる。

 欧米の反ダンピング調査の負の影響は来年集中的に発作を起こすことになり、産業全体で欧州市場向けの販売収入が400億元以上失われ、欧州市場におけるシェアの半分近くが一気に失われることになる。欧米の制裁の影響はすでに表面化しており、例えば山東省商務庁のデータによると、8月の同省の太陽光発電モジュールの輸出は71.4%減少し、省の輸出入の5.15%の減少につながった。

 中国の太陽光発電大手3社にも相次いでリストラの波が押し寄せている。無錫サンテックは9月18日、無錫地区にある電池工場の一部で生産を停止し、1,500人のリストラを行うことを明らかにした。同公司の金緯CEOによると、これは同公司が産業情勢の持続的な悪化に速やかに対応するために取った措置である。天合光能も1,850人の管理職の中から約200名をカットすることを発表した。賽維LDKも今年に入ってから約22%に当たる5,554人を削減したと発表している。

 史上最大の貿易紛争側解決に向け欧州から前向きのシグナル

 商務部の国際貿易交渉副代表の表崇泉氏が率いる中国代表団は9月11日、ドイツ、EU及びフランスに赴き、独仏両国の関係政府部門及び欧州委員会との間で太陽光発電製品貿易問題について交渉した。9月19日、商務部の沈丹陽報道官は定例記者会見において、ドイツのメルケル首相が17日、先の中国訪問の際の表明を繰り返し、対話を通して紛争を解決したいと述べたことを明らかにした。また、メルケル首相はドイツ企業が対話の準備を進めているとも表明したとのこと。フランスサービス総局のルソー局長もまた、フランスは保護貿易主義への反対では一貫しており、国家間の貿易紛争はまず対話と協力によって解決すべきであると主張した。

 沈丹陽報道官は「EU貿易総局のデマディ局長も、調査立件過程においてEU側はWTOの規約とEUの法的枠組みの下で中国側と討議を進め、問題解決の方法を共同で検討したいとの意向を表明した。また、デマディ局長は双方の業界が自主的に交渉を展開することも出来ると表明した。こうした前向きの態度は、双方がWTO規約の下、交渉を通して問題を解決するために基礎を固めるものだ。双方の共同努力により、各種の敏活な方法を通して当面の紛争を解決し、摩擦を解消できると信じている」と述べた。

 (中国新聞網 9月20日)