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【石炭】

エネルギー政策白書は石炭生産能力過剰問題の解決に有効 (12/10/24)
2012/11/2
中国【石炭】

 国務院新聞弁公室が10月24日に発表した白書《中国のエネルギー政策(2012)》によると、中国は化石エネルギーの開発利用と環境保護を統一的に計画し、先進的生産力の建設を加速し、老朽化生産能力を淘汰し、化石エネルギーのクリーンな開発を強力に推進し、生態環境を保護し、気候変動に対応し、省エネ・排出削減を実現することになる。石炭産業アナリストである劉冬娜氏は、同白書によって、石炭産業の生産能力過剰等の問題が徐々に解決されると指摘する。中国の石炭産業は今年に入ってから、それまでの「黄金の10年」から一転して、様々な問題に直面している。これら問題の解決において、今回の白書は極めて大きい指導的意義を備えている。

 《中国のエネルギー政策(2012)》は、「石炭産業のグレードアップに向けた改造と老朽化生産能力の淘汰を実施する」「鉱区の循環経済発展に力を入れ、石炭の選炭率を高める」「石炭の深加工・グレードアップ実証プロジェクトの秩序ある建設を進め、低カロリー炭のクリーンな利用と加工転化プロジェクトの建設を奨励する」ことを打ち出している。この点について、劉冬娜氏は「石炭産業の最も大きな問題は石炭生産能力過剰であり、早急に解決を要する。近年石炭資源の統廃合が進んで生産能力のリリースが始まり、供給が需要を上回るギャップは今や極めて深刻になっている。そのため石炭産業全体が不景気になり、企業は経営難に陥っている。白書によってこうした問題が徐々に解決されるだろう」と述べた。

 劉冬娜氏の見方によると、欧米では石炭等の化石エネルギーは補助エネルギーに過ぎず、再生可能資源が発電量の大きな部分を占めているが、中国は再生可能エネルギー利用面では不十分であり、もっと高めることが必要である。例えば、中国の電力消費は決して合理的ではなく、火力発電の比率は90%近くになるが、今後は徐々に低下するだろう。水力発電は、今年は顕著な作用を発揮し、電力供給のピークにおいて調節作用を果たしている。一方、風力発電が応用されているのは一部の地区だけである。

 (中央電視網 10月24日)