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中国
【新エネルギー】

中国風力発電産業は死中に活を求めよ (12/10/30)
2012/11/8
中国【新エネルギー】

 風力発電の市場キャパシティは急速に拡大し、中国は世界の風力発電市場において大国としての地位を占めることになった。2011年末の中国の風力発電設備総容量は約5,000万kWに達し、2001年の100倍余りになった。今年6月の系統連系風力発電設備は5,258万kWに達している。中国は今や米国に代わって世界一の風力発電大国となり、風力発電の累計設備容量と製造能力ではいずれも世界第1位である。

 しかしながた、中国の風力発電機メーカーの生き残りは楽観できない。生産能力過剰や発電機価格の下落などで、完成機メーカーの収益の余地がますます狭まっている。先日発表された《中国風力発電発展報告2012》は、風力発電設備の生産能力過剰の主な原因は大手企業の拡張にあると指摘している。大手企業は、いわゆる「資源をもって産業に代える」という地方政府の政策的圧力と誘導によって、風力資源を獲得する見返りに現地に発電所を建設することを余儀なくされる。他方、大口契約を受注してスケールメリットを形成するためには、生産能力を高めて、一定の競争上の優位を維持しなければならない。こうした多重の困難にもかかわらず、中央政府と地方政府の風力発電開発の決意は揺るがない。《風力発電第12次5ヵ年発展規画》によると、2015年には風力発電系統連系設備容量を1億kWとし、2020年には2億kW以上とする。今年初頭の時点で国家能源局が認可したか又は認可を予定している事業の総容量は4,800万kWを上回っている。既存の計画では向こう3年間、年平均1,600万kWの新規設備建設をサポートすることになる。

 当面の情勢では、中国の風力発電産業は、より多くの技術競争によって切磋琢磨し、イノベーションを刺激することによって、産業発展を質的に高めることが求められる。

 2012年北京国際風力大会並びに展覧会(CWP2012)が11月15〜17日に開催される。これは、国家再生可能エネルギーセンター、中国再生可能エネルギー学会風力専門委員会、中国資源総合利用協会再生可能エネルギー専門委員会、世界風力会議の4機関が共同で構築する国際風力発電産業ハイエンド展示プラットフォームになる。今回の大会のテーマは「量から質へと変化する風力市場の新たなチャンスとチャレンジ」。大会では新たな情勢の下における世界の風力関連政策と市場及び技術とイノベーションに焦点を当て、風力発電新興市場の分析、風力発電産業と気候変動、風力発電産業投融資、分散型風力発電開発等をテーマとするフォーラムが設けられる。また、同大会は中国の風力発電産業発展の現状と未来の持続可能な発展の道に着目して、中国の風力発電発展の成果と経験を世界と共有するとともに、各国の経験を十分に学習して参考とし、中国の「風力発電大国」から「風力発電強国」への転換を知力の面からサポートする。

 (国際商報 10月30日)