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【新エネルギー】

光明が差し始めた中国の太陽光発電産業 (12/11/13)
2012/11/25
中国【新エネルギー】

 中国共産党第18回代表大会報告は、実体経済の発展に有効な政策措置を実施し、需要の誘導を強化し、戦略的新興産業と先進的製造業の健全な発展を推進する方針を明確に打ち出した。景気の底に落ち込んでいる太陽光発電産業にも、政策の温風を受けて、苦境脱却の希望が出て来た。関係企業は発展改革委員会の新興産業に対する決意を目にして、中国国内の太陽光発電応用市場の本格始動に対して自信を倍増させている。

 産業科学技術発展の路線と方向性が明確になるとともに、太陽光発電電力の廉価な系統連系の見通しと目標が示され、産業発展に対する支援のシグナルが明確になってきた。産業情勢の悪化に伴い、太陽光発電を対象とする国の奨励政策も明晰になっている。9月12日、国家能源局は《ソーラー発電発展第12次5ヵ年規画》を示達し、2015年には中国のソーラー発電設備容量を21GW以上とし、うち分散型太陽光発電を10GWとすることが打ち出された。その2日後、国家能源局は《分散型太陽光発電大規模応用デモンストレーションエリアの申請に関する通達》を発し、分散型太陽光発電事業の申請を奨励することになった。10月26日には国家電網公司が《分散型太陽光発電系統連系サービスの適正な実施に関する意見》を発表し、太陽光発電の系統連系に対するハードルを大幅に引き下げた。系統連系電圧10kV以下、設備容量6MW以下の太陽光発電所もすべて大型電力網への連系を申請出来るようになり、国家電網公司は全過程の系統連系サービスを無償で提供することになった。こうして、国の奨励政策に国家電網公司が協同し、サービス、系統連系、改造等の費用面で利益を度外視することは太陽光発電企業を力づけた、何よりも重要なのは分散型太陽光発電の発展の道筋が明確になったことである。

 中国の太陽光発電産業が苦境に陥った最大の原因は、世界市場の需要の萎縮にあり、国内の応用市場を開くことは苦境打開の重要な方法と見なされている。長期にわたって国内応用市場の全面的な開拓を制約していたのは系統連系問題であったが、上述の一連の政策によって分散型発電の発展が明確にされるとともに、系統連系のボトルネックの打破が図られることになり、投資主体の積極性も高められる。

 新たな変化によって、今後太陽光発電製品が日常的なものになる可能性が見えてきた。太陽光発電が一般庶民の身近な製品になれば、市場の全体的環境は一変し、太陽光発電産業は真の繁栄を迎える。太陽光発電メーカー大手の英利集団は未来の市場見通しに対して自信が溢れている。新たな市場空間が正に開けつつあると感じ取って、投資主体の能動性は著しく高まっている。多くの太陽光発電メーカーは、政策の刺激の下で、全国各地でルーフ太陽光発電事業に適した場所を模索し、積極的に事業申請を進めている。

 いかに外部環境が厳しくとも、太陽光発電企業が決して諦めないことは実に喜ばしい。新興市場の需要を掘り起こし、差別化戦略によって様々な消費者を満足させようとするメーカーもあれば、国内で技術協力を展開し、高効率太陽電池の研究開発を持続して太陽光発電コストを引き下げようとするメーカーもある。また、川下の太陽光発電所事業を開発して、収益能力を高めようとする企業もある。米国の「反ダンピング・反補助金」やEUの反ダンピングであれ、国の政策支援であれ、いずれも外部的要素であり、企業の前途は最終的には企業自身にかかっている。中国の太陽光発電企業は国が推進する経済構造の戦略的調整とイノベーション駆動発展戦略という重要なチャンスをつかんで、転換とイノベーションの歩みを速め、真の意味での強大化を実現しなければならない。

 (経済日報 11月13日)