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【エネルギー全般・政治経済】

発電用石炭の一本化案が12月公布も電力と石炭の連動メカニズムの完備が必要 (12/11/29)
2012/12/6
中国【エネルギー全般・政治経済】

 石炭業界に詳しい関係筋によると、発電用石炭一本化案が12月に公布され、石炭と電力の連動及び輸送力の市場化など関係する改革措置も一本化案実施後に次々と打ち出されることになる。

 目下石炭供給と発電用石炭輸送力の市況は全体的に鈍く、こうした市場情勢は発電用石炭の一本化にとっては好機である。「所管部門はこれまでエネルギー体制改革の切り口を見出せずにいたが、今ようやくそのチャンスが来た。発電用石炭の一本化はその他の改革に比べると余り難しくはない。なぜなら、来年一本化が正式に実施されると、それに応じて、石炭と電力の連動も含め関連改革が推進されるに違いない」と前出の関係筋は言う。

 国家発展改革委員会エネルギー研究所の姜研究員によると、石炭価格は当面上昇することはなく、下落の可能性さえある。石炭と電力価格の連動を実施すれば、電力価格の上昇幅も非常に小さいものになり、市場に大きな変動が生じることはない。但し、電力価格の上昇は消費財に波及し、さらにはマクロ経済にも波及する。石炭と電力価格の連動措置は2004年末に始まったが、当時は石炭と電力の価格連動の周期を6ヵ月以上にすると規定され、周期内の石炭平均価格と前の周期との変動幅が5%以上になった場合、それに応じて電力価格を調整するとしていた。2005年、2006年及び2008年に合計4回にわたって価格連動が実施されたが、その後は実施されないままである。新華都商学院の林伯強院長は「石炭と電力価格の連動は、価格調整の仕組みが明確に規定されており、行政的な手段よりも望ましい。石油価格に類似する透明な市場手段であり、ゲームのルールだ。政府は価格調整の周期を適正に調整することが出来る。石炭と電力価格の連動実施後に、石炭価格が余りにも急速に上昇したとしても、課税方式を用いて調整することが出来る。石炭と電力価格連動の仕組みを整えることが必要だ。また、下落の仕組みも必要だ」との考えを示した。一方、電力の市場化改革に詳しい国家電力監管委員会の専門家は、石炭と電力価格の連動は必ずしも電力体制改革の重点ではなく、改革の本当の核心は電力価格の市場化にあり、石炭と電力の矛盾を根本的に解決するには市場化改革を進めるしかないと指摘する。

 (毎日経済新聞 11月29日)