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【新エネルギー】

窮境に陥った風力発電産業 生産能力過剰率は50%超 (12/12/04)
2012/12/16
中国【新エネルギー】

 現在中国の風力発電産業は投資が冷え込む切迫した局面にある。アナリストによると、生産能力過剰、需要の鈍化、困難な系統連系など一連の問題が解決されない中、風力発電産業の持続的低迷がプライベート・エクイティ・ファンドの投資熱にも影響し、短期間で好転させることは難しい。

 風力発電三大手はいずれも赤字を計上

 風力発電三大手はいずれも第3四半期に赤字を計上した。華鋭風電の第3四半期の営業収入はわずか5.48億元、赤字は2.8億元に達し、四半期の営業収入と純益はいずれも過去最低を記録した。金鳳科技の第3四半期の営業収入は24.6億元、赤字は3,243,88万元になり、2008年以来の四半期の赤字となった。明陽風電の営業収入は前年同期比58.6%減の7.878億元、純益は94.4%減の502.98万元に落ち込んだ。華鋭集団が職員350人の有給レイオフに踏み切ったことは風力発電産業が「厳冬」に入ったことをさらに印象付けている。華鋭風電の韓俊良会長は、風力発電産業は比較的長い調整期に入ると指摘する。金鳳科技の侯玉●国内市場総監によると、今年の中国の風力発電設備容量は昨年に比べやや下がるが、それでも1,400〜1,500万kWを維持し、設備の総量の点からは依然着実な増加を続けている。

 短期的利益を急ぐあまり生産能力過剰に

 中国の風力発電完成機の生産能力は現在30〜30GW、生産能力過剰率は50%以上になる。東方電気東方汽輪機有限公司風力発電営業処プロジェクトマネージャーの代華東氏は「一つの池でみんなが一斉に魚を釣るようなもので、池の魚が増えてもすぐになくなってしまう」と喩える。

 中商情報網産業研究員の王健氏は「中国企業報」紙記者の取材に対し、余りにも速い市場発展によってもたらされた生産能力の過剰を短期間で消化することは難しいと指摘する。国は一連の新エネルギー産業支援政策や計画を打ち出しているが、全体的な経済環境の不景気のため、企業が収益力の低い風力発電に十分な資金を投入することは難しい。

 国家気候変動対応戦略研究センターの李俊峰主任は、政策や市場に問題があるのではなく、「金融企業が短期的利益を急ぎすぎる」ことが鍵であると見ている。李俊峰主任は「生産能力と市場が互いに適応する方法を見出すことが鍵だ。そうしなければ、風力発電産業の苦境はもっと続く」と言う。

 前出の侯玉●氏は、「視点を変えれば企業にとっては良いことだ。ペースをやや落として長期的な計画を考えることが出来る。同時に技術の精度を高めて製品を向上することが出来る」と指摘する。

 ●…草かんむりに「函」

 (中国企業報 12月4日)