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中国
【石油・天然ガス】

環境保護部がシェールガス参入基準の策定を検討 (12/12/07)
2012/12/19
中国【石油・天然ガス】

 シェールガス開発が直面する主な環境問題は、破砕液による地下水汚染、メタンガスの漏洩、大量の水資源消費等があるが、中でも水問題が重点になる。環境監督管理部門は現行の環境管理法規の厳格な執行を基礎に、シェールガス開発の特性に応じた環境保護参入条件を研究・確定し、環境監督管理標準体系によってシェールガス開発と環境保護の同時進行を堅持しなければならない。

 シェールガス開発過程において監督管理部門は環境問題を重視している。

 「2012年非在来型石油ガスパートナーサミット」において、環境保護部科技司の劉鴻志副司長は、シェールガス開発の初期においては、現行の環境管理法規を厳格に執行することを基礎に応分の環境保護参入条件を確定し、シェールガス開発と環境保護の同時進行を堅持すると表明した。
 周知のように、シェールガス採掘過程では大量の水資源が必要であるが、中国のシェールガス田の大部分は水不足地区に分布している。さらに、シェールガスの輸送・貯蔵・処理過程においても予知の出来ない環境リスクのファクターが存在する。

 劉副司長の見方によると、シェールガス採掘過程において、破砕剤に化学品を添加することが必要であるが、もし処理に不備があれば、水環境に影響が生じる。また、シェールガスにはメタン、揮発性有機化合物やその他の有害汚染物が含まれており、もし漏洩した場合、大気汚染や気候変動への影響も軽視できない。

 国土資源部鉱産資源埋蔵量評価センターの張大偉主任は以前、シェールガス開発が直面する主な環境問題には破砕液による地下水汚染、メタンガスの漏洩、大量の水資源消費などがあるが、とりわけ水の問題が重点になると指摘していた。

 劉副司長は、シェールガス開発初期においては、シェールガスの採掘・輸送・貯蔵・処理の全過程にわたって環境リスクアセスメントを強化し、生態系、水、大気、土壌等の環境影響に対する科学的評価や周辺住民の環境に及ぼす影響評価を重点的に強化しなければならないと表明した。シェールガス開発利用の全過程を対象に、環境リスクの科学的認識を高め、応分の環境リスク評価の研究を展開して、シェールガスに関わる評価方法、規範・標準、基礎政策を策定する上で、基盤を提供しなければならない。

 同時に、シェールガス開発環境リスク防止制御技術規範体系の研究を全面的に展開し、様々な地質条件や異なる採掘方式及びシェールガス開発利用の各プロセスの異なる特性に応じて、水資源の利用、温暖化ガス排出、廃水処理、土壌と地表水の汚染、緑被復元などを包摂する中国の国情に適したシェールガス開発環境技術規範体系を研究・制定し、事前に関連技術を蓄え、資源開発と環境保護を総合的に計画しなければならない。

 「地域によって異なる環境特性と敏感度を対象に、主体機能区計画の関連要件や突出する可能性がある環境問題とも結びつけて、区域別にシェールガス開発の環境管理を推進する」と劉副司長は表明し、さらに、整ったシェールガス開発計画環境評価、事業環境評価など全過程における監督管理のメカニズムを確立、完備しなければならないとした。

 中国のシェールガス開発は依然スタートしたばかりの段階であり、シェールガス環境監督法規の改善が待たれる。張大偉氏は、試験データに基づき外国の経験も参考にして、速やかにシェールガス開発に関連する環境監督管理の法律と規定を制定し、監視システムの導入など監督管理の仕組みを刷新しなければならないと提唱した。

 (東方財富網 12月7日)