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【石油・天然ガス】

ESPOパイプライン完成でロシアの石油がアジア太平洋市場を射程に (12/12/26)
2012/12/26
アジア【石油・天然ガス】

 ロシアの石油パイプライン輸送会社Transneftは12月25日、東シベリア−太平洋石油パイプライン(ESPO)第2期事業を稼動させた。8年超の工期をかけて全長8,130キロのパイプラインがすべて完成、稼動したことになる。

 ESPOパイプラインは東シベリアのタイシェトを起点にロシア太平洋沿岸のコズミノ湾まで。東シベリアの石油を極東に輸送し、ロシアの石油輸出を多元化する。このパイプラインによってロシアはアジア太平洋地区の諸国へ石油を輸出できるようになる。ロシアのプーチン大統領によると、このパイプラインによってロシアはアジア太平洋市場において積極的な役割を発揮できるようになり、また、パイプラインの運用によって多くの雇用を生み、東シベリアと極東地区の投資協力を促進して、現地の経済を牽引する。

 このパイプラインの建設をめぐって、ロシアが射程に入れているのはアジア太平洋市場である。特に中国が重点になる。中露原油パイプラインは実際にはこのESPOパイプライン第1期の支線であり、2011年に中国への送油を開始した。他のアジア太平洋諸国にとってもESPOパイプラインの意味は非凡である。韓国企業はESPOパイプラインから支線を通して韓国に石油を輸送する案についてロシアと交渉を展開してきた。韓国にとって、距離が近く輸送コストを相対的に下げられることから、ロシアから輸入する石油は中東の石油よりもコストが安くなる。ESPOパイプラインの完成は、アジア太平洋地区、特に北東アジアの諸国にとって、石油輸入の多元化を実現するチャンスになる。

 (新民晩報 12月26日)