中国のシェールガス開発は始まったばかりである。報道によると、中国のシェールガス実験井の1坑当たりのコストは8,000万元以上に達する。米国の1,700〜2,300万元に比べて高い投資コストが焦点になっている。その他にも中国は環境リスクにも注意しなければならない。予め先手を打って仕組みを整え、汚染予防に当たるべきである。

　シェールガス開発で他に代わるもののない成熟技術が水圧破砕（フラクチャリング）技術である。この技術には数百万トンの水が必要であり、またフラクチャリング液に添加される化学薬剤が地層の深層部に注入されると、地下水の汚染を直接もたらすわけではないが、長期的には潜在的なリスクがつきまとう。また、頁岩層に大量に注水すると、深層岩の滑落を促して地震を誘発する可能性にも注目しなければならない。専門家は、環境保護にしっかり取り組まなければ、シェールガスの大規模な採掘が災難をもたらす可能性もあると指摘する。

　多くの国では市民がシェールガス採掘による地下水の汚染を憂慮し、反対の潮流が呼び起こされている。2011年6月、フランスは水圧破砕技術の応用を禁止する法案を可決し、世界で初めてシェールガス開発に事実上「NO」を突きつけた。米国はシェールガス開発初期において特別な環境監督管理措置を講じなかったが、その後採掘規模が拡大するにつれて、多くの地区で環境汚染問題が発生した。1999年、米国議会はSafe Drinking Water Act (SDWA)修正案を可決したことを皮切りに、一連の法案を公布して、シェールガス開発に対する環境監督管理を強化した。米国環境保護局はシェールガス開発に起因する環境汚染のアセスメントを進めており、2014年に結果を発表する。

　中国は目下シェールガスの探査と開発を加速させているが、当面は開発の各プロセスにおいて対症的な措置を講じ、発生する可能性のある各種環境問題を出来る限り減らすか根絶しなければならない。

　第1に、地表の植被破壊問題については、クラスター水平井群の採用を奨励して、ガス井の数を減らすべきである。第2に、フラクチャリング液のリサイクルを奨励して節水を図る。第3に、掘削を終えたガス井の操作を厳正に規定して、地下水汚染を根絶する。シェールガス層は地下水層よりもはるかに深く、その間には多くの非浸透岩層が挟まれており、フラクチャリング液が地下水を汚染する可能性は小さい。しかし、配管やセメンチングの質を確保して、地下水層への汚染を根絶し、潜在リスクを予防しなければならない。第4に、環境保護モニタリングを強化し、フラクチャリング液の無害排出を確保して、土壌と地表水の汚染を防止しなければならない。

　（経済日報 1月16日）