工業情報化部は国家発展改革委員会、科学技術部、財政部とともに《工業領域の気候変動対応行動方案（2012〜2020年）》を策定し、2020年までに工業生産高当たりの二酸化炭素排出量を2005年比で約50％引き下げ、低炭素排出を特徴とする工業体系を基本的に形成することを提唱した。

　同方案により、2015年には国の温暖化ガス排出抑制目標を全面的に実現し、工業生産高当たりの二酸化炭素排出量を2010年比で21％以上引き下げる。重点業種の削減率は、鉄鋼18％、非鉄金属18％、石油・化学18％、化学工業17％、建材18％、機械22％、軽工業20％、紡績20％、電子情報18％以上とする。

　また、工業過程において二酸化炭素及び亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄等の温暖化ガス排出を有効に抑制する。産業構造のさらなる最適化を進め、戦略的新興産業を急速に発展させ、一群の低炭素産業モデルパークと低炭素工業モデル企業を建設し、排出削減のポテンシャルを備える低炭素技術並びに低炭素製品の普及を推進する。重点エネルギー消費企業の温暖化ガス排出計量モニタリングシステムを基本的に確立し、工業の気候変動対応の体制とメカニズム及び政策のさらなる整備を進める。

　方案は重点業種において応用を推奨する低炭素技術を掲げている。鉄鋼分野では微粉炭燃焼触媒強化燃焼技術、廃熱や余剰エネルギーなど二次エネルギーリサイクル技術、非鉄金属では高効率省エネ選鉱設備、精錬過程の省エネ制御・最適化技術、石油・化学では二酸化炭素回収利用技術、化学工程強化技術、工業排気ガス高効率利用技術、建材では炭素排出削減技術及び設備や低炭素排出のゲル材料など。また、先進製造業の低エネルギー消費・低排出型製法及び設備、製造系統の資源リサイクルキーテクノロジーなどが挙げられる。

　方案は6大重点プロジェクトも提示している。工業重要低炭素技術実証プロジェクト、工業過程温暖化ガス排出抑制実証プロジェクト、高排出工業製品代替実証プロジェクト、工業CCS実証プロジェクト、低炭素産業パーク建設実験実証プロジェクト、低炭素企業実験実証プロジェクトである。

　（中国環境報 2月5日）