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世界最大の石炭企業ピーボディエナジーが中国の「グリーン石炭火力発電」計画に参入 (2007/12/13)
2007/12/14
中国【電力】

 12月11日、米中戦略経済対話が開催されている北京で、中国の緑色煤電有限公司と米国のピーボディエナジー(Peabody Energy Corporation)が増資契約に調印した。これにより、米国の巨大エネルギー企業が「グリーン石炭火力発電」計画、すなわち中国の新世代クリーン石炭火力発電技術の開発に本格的に参入する。中国の持続可能な発展にとって、また、地球の気候変動への対応にとって、意義は大きい。

 ピーボディエナジーは生産、販売とも世界最大の民間石炭企業である。今回の契約により、ピーボディエナジーは緑色煤電有限公司に2,100万元出資して、株式の6%を保有する。

 「グリーン石炭火力発電」計画は2004年に華能電力集団が打ち上げた。石炭火力発電の効率を大幅にアップし、汚染物や二酸化炭素の排出がほぼゼロの石炭火力発電所を実現することが目的。中国が独自の知的財産権を有するIGCC(石炭ガス化複合循環発電)モデル発電所を建設した上で、2015年には、石炭ガス化によって水素、水素ガスと燃料電池を製造し二酸化炭素を封じ込めるほぼゼロ排出の40万kW級グリーン石炭火力発電のモデル発電所を建設し、独自の知的財産権を備えるグリーン石炭火力発電技術を形成し、技術面からその大規模実用化を準備する。

 「グリーン石炭火力発電」計画は政府の支援の下に、華能集団が先頭に立って進めており、2005年12月には中国大唐集団、中国華電集団、中国国電集団、中国電力投資集団、神華集集団、国家開発投資公司、中国中煤能源集団など発電、石炭、投資分野の基幹企業が結集し、共同出資により緑色煤電有限公司を設立した。

 計画第1段階の25万kW級IGCCモデル発電所は天津浜海新区に建設することが確定している。事業化可能性研究と環境評価はすでに完了し、目下設計作業が進められている。

 この計画にピーボディエナジーが参加したことは、中国が世界と協力して地球の気候変動に対応する上で、大きな一歩を踏み出したことを示している。

 (中国電力網 12月13日)