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【原子力】

中国初の地下原子力発電所が2017年には発電開始 (13/03/12)
2013/3/12
中国【原子力】

 3月11日、中国核工業建設集団公司の王寿君総経理は、同社と清華大学の共同出資による中核能源科技有限公司が60万kWの高温ガス冷却炉に着工したことを明らかにした。立地先は近日中に公表するとのこと。また、中核新能源有限公司の銭天林総経理は、中国初の地下原子力発電所が2017年に発電を開始するとの見通しを示した。

 王寿君総経理によると、日本の福島原発事故以降、中国は原子力発電所建設の許認可を一時停止したが、昨年下期に国務院は会議を開いて原子力発電所建設の許認可を再開し、山東省石島湾高温ガス冷却炉がその第一号になった。この原子力発電所は世界初の第四世代原子力発電技術の商業化実証事業になる。

 「すでに60万kWの高温ガス冷却炉の建設を開始した。この原子炉は安全性が向上し、経済収益にも優れる。基本的な見積もりでは売電価格は0.48元になる」と王寿君総経理は述べた。高温ガス冷却炉は余り大きなものにはならず、主に10万kWから100万kWのタイプを展開し、60万kWが標準的なものになるとのこと。

 また、銭天林総経理によると、中核集団が開発した小型多機能モジュール化実験炉は目下技術論証が進められており、公衆にも容易に受け入れられるよう、小型炉は地下に設置することになる。事業計画書はすでに国務院に提出されており、関係部門が速やかに着工に同意するよう希望すると、銭天林総経理は述べた。

 銭天林総経理によると、順調に進めば2014年に着工し、2017年に発電を開始する。小型多機能モジュール化炉は熱電併給やスチーム・電気併給、海水淡水化等の機能を発揮し、高度の安全性と優れた経済性を備える新型多用途原子力システムである。

 また、王寿君総経理は、内陸の原子力発電所建設は第13次5ヵ年規画期に展開することになると表明し、一方、銭天林総経理は中国の原子力発電所の設計と建造基準は世界先進水準に達していると強調して、「技術的見地からは、内陸に原子力発電所を建設することに何ら問題はない。世界で運転中の原子力発電440基余りのうち大多数が内陸部にある」と述べた。

 (中国産業研究網 3月12日)