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【新エネルギー】

太陽光発電産業は今年さらなる「厳冬」に陥るのか 無錫サンテック破産の背景と影響 (13/03/22)
2013/3/29
中国【新エネルギー】

 江蘇省無錫市中級人民法院は無錫尚徳太陽能電力有限公司(無錫サンテック)の破産・再建を裁決した。アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、2013年は中国の太陽光発電産業にとって最も困難な一年になるかもしれないと指摘する。

 無錫サンテックがこのような境遇に到ったのには、悪性価格競争、外国との貿易戦争のエスカレーションや金融危機といった外部要因があるが、何よりも自身の猪突猛進戦略が関係している。2006年、ポリシリコン価格がキロ150ドル超にまで高騰する中、無錫サンテックは米国のMEMC社と固定価格での10年間のポリシリコン長期売買契約を結び、80ドルでポリシリコンを調達できるようになった。しかし、2008年10月からポリシリコン価格は暴落し、2011年にはわずか35ドルにまで下がった。無錫サンテックはMEMC社に2.12億ドルの違約金を払って長期契約を終了することを余儀なくされた。また、無錫サンテックはアモルファスシリコン薄膜電池の開発を試みたが、失敗に終わった。

 無錫サンテックは倒産の危機に直面し、無錫市政府と銀行は資金注入の条件として創業者の施正栄に個人資産を担保に差し出すことを求めたが、施正栄に拒否された。その後、施正栄は無錫サンテックに対する支配権を徐々に失っていった。

 しかしながら、アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、無錫サンテックが今日の状況に到った主要要因は外部環境の悪化であるが、「外部環境が悪化するに及んで内的要因がさらけ出された」と指摘し、「サンテックの問題は戦略の誤算にあり、拡張が余りにも急すぎたことにあった。但し、戦略の誤算は企業の管理レベルにあったが、もし地方政府や国有銀行の支持がなかったならば、今日のような状況には到っていなかっただろう。責任はすべての人にある」と述べた。

 無錫サンテックの破産が太陽光発電産業に及ぼす影響については次のように見方が分かれている。

 (1)業界のターニングポイントは間もなく到来するのか?

 匿名業界関係者は、サンテックの倒産によって、地方政府の支援の下に急拡大した産業が往々にして本当の試練を経ていないことが示されたとし、中国の太陽光発電産業は再編期に入ると指摘した。林伯強主任は、これまで太陽エネルギーは民営企業が最も活躍する地盤であったが、今年は大規模な国有化の風潮が生まれると指摘し、「今年は中国の太陽光発電産業にとって最も困難に1年になる」との予想を示した。

 (2)太陽光発電産業にはまだ明るい前途があるのか?

 業界には太陽光発電産業に対して悲観的な見方もあれば、無錫サンテックの破産・再建は決して悪いことではなく、市場原理の下での合理的な現象であり、産業の前途は全体的に依然として明るいとの見方を示す専門家もいる。

 (広州日報 3月22日)