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中国
【新エネルギー】

中国の新エネルギー過剰は政府と市場の連携による調整が必要 (13/05/09)
2013/5/12
中国【新エネルギー】

 近年、中国は風力発電において急速な発展を遂げ、世界第1位の風力発電大国になったが、生産能力の過剰により、風力発電は機会損失電力問題が深刻であり、利用率が低いことにも注目しなければならない。

 新エネルギーの産業チェーンは研究開発、設備製造及び末端利用に分けられるが、いわゆる生産能力過剰とは、設備の生産が多く、十分に利用されないこと、すなわち設備製造過程の過剰を意味する。このような過剰は部分的、一時的な構造的過剰である。

 この種の過剰をもたらした原因の一つに、生産能力の拡張へと闇雲に駆り立てられたことが挙げられる。国の強力な唱導の下で、地方政府は新エネルギー産業発展の壮大な野心を抱き、多数の事業を闇雲に立ち上げたが、過度の投資は最終的に生産過剰の原因になり、今日の産業の苦境をもたらした。

 もう一つは、生産過剰が必然的に買手市場を形成し、企業がキャッシュフローを得るために価格競争に打って出たことがある。多くの企業は原価割れで販売し、そのため中国の太陽光発電企業や風力発電企業の大多数は赤字に陥った。同時に、技術の進歩や品質を軽視し、産業の大規模化のみを重視したため、アフターサービスのコスト増を招いたこともまた産業が苦境に陥った主要原因に一つになった。

 そうしたところから、このような生産能力過剰問題を解決するためには、政府と市場が力を合わせて調整を進めることが必要である。短期的には政府の補助金と支援によって、既存の生産能力の消化を図ることである。現在中国は工業化と都市化のプロセスにあって、エネルギー需要は年々増加しており、しかもその増加幅は極めて大きい。一方、エネルギー構造に占める新エネルギーのシェアは非常に小さい。したがって政府が産業の闇雲な拡張を抑制すると同時に、産業チェーンの末端から国内市場を拡大すること、優遇政策と助成措置を採って新エネルギー設備の需要を速やかに拡大することが切実に求められる。

 長期的には市場を通して統廃合と淘汰を進め、資源配置を合理化することも必要である。近年、中国のエネルギー消費は絶えず増加しており、エネルギー供給がますます困難になっているだけでなく、排出圧力も重い負担になっている。そのため、中国はエネルギー構造調整と再生可能エネルギーの発展に力を入れ、非化石エネルギーの比率を増加させる必要がある。

 (中国化工儀器網 5月9日)