国家発展改革委員会は先日《炭素回収・利用・貯留の実験と実証の推進に関する通達》を公布し、炭素回収・利用・貯留(CCUS)の実験と実証を第12次５ヵ年規画期における温暖化ガス排出抑制対策の重点の一つにするとした。また、火力発電、石炭化学工業、セメント及び鉄鋼産業において炭素回収実験プロジェクトを展開すること、関連する標準やインセンティブ政策を研究、策定することを明らかにした。

　中国は今回初めて未来のCCUS商業化指針を明確にしたことになる。実際、中国国内ではすでにCCUS産業の実証プロジェクトが開始されており、関係する上場企業も技術や商業モデルの模索を進めている。しかしながら、技術やコストの制約があり、大規模な発展は未だ出来ていない。

　アナリストの見方によると、国家発展改革委員会が今回正式文書によってCCUSの発展を促したことは、今後この産業が速やかに大規模商業化の段階に入ることを意味している。試算によると、今後10年でCCUS産業の市場規模は数百億元に達すると期待される。

　（中国証券報 5月15日）