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【省エネ・環境】

炭素排出権取引実験が開始へ 企業1000社に炭素排出量の開示を義務付け (13/05/23)
2013/5/28
中国【省エネ・環境】

 北京、天津、上海など中国の7つの省・直轄市で炭素排出権取引実験が今年下半期に次々と開始され、1,000社もの企業が炭素排出量の開示を義務付けられる。

 道和環境発展研究所(IED)と英国のカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)は先日「中国カーボンアカウンティング·カーボンディスクロージャー・ビジネスケース」と題するレポートを発表し、中国国内でカーボンアカウンティングとカーボンディスクロージャーの面で優れる企業を例に挙げて、カーボンアカウンティングとディスクロージャーが企業にもたらすコスト節減や諸々の利益を提示した。

 同レポートによると、大手民営企業のレノボホールディングスは2010年に炭素排出削減目標を立て、2020年までに炭素絶対排出量を2010年比で20%減らすことを打ち出したが、その後、レノボは世界各地にエネルギー効率向上プロジェクトを40件立ち上げ、これらプロジェクトによって企業の電力使用量を20%近く減らし、レノボ上海支社だけでも電気代の支出を85万元カットした。

 同レポートは、カーボンアカウンティングとディスクロージャーによってコストを節減し技術を革新し競争力を高めた企業として、神華集団、中能環科技発展有限公司、ウォルマートなどの大手国有企業や中国所在の多国籍企業等を挙げている。

 道和環境発展研究所の葛勇所長によると、中国企業はグローバルサプライチェーンの一環として、ますます多くの顧客から炭素排出量の開示を求められるようになっており、カーボンアカウンティングが企業経営管理の「必修科目」になっている。カーボンアカウンティングは中国では未だスタートしたばかりであるため、多くの企業はビジネス経営の中で炭素管理の優位を未だ十分に発揮できておらず、カーボンアカウンティングとディスクロージャーについても殆ど知らない。葛勇所長は今回のレポートが中国企業を啓蒙することに期待を寄せた。

 中国のGDPは世界全体の10%を占めるが、エネルギー消費と炭素排出の占める比率はもっと大きく、排出削減の圧力は巨大である。中国政府は先日、2020年に炭素強度を40%から45%に引き下げるとの目標は不変であり、無条件であることを表明した。

 炭素排出権取引実験に参加する7つの省・直轄市はいずれも実施計画案を発表しており、実験に参加する企業のリストを発表して割当段階にまで進んでいる省・市もある。

 (中国新聞網 5月23日)