1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

EUの中国PVに対する高額関税はむしろ欧州PV企業に大きな影響 (13/05/24)
2013/5/31
中国【新エネルギー】

 「EUの中国PVに対するダブルアンチ措置(反ダンピング・反補助金)は、中国のPV企業に及ぼす影響よりもむしろ欧州のPV企業に及ぼす影響の方が大きい」と、カナディアン・ソーラー(Nasdaq:CSIQ)会長兼CEOの瞿曉●氏が5月23日、述べた。もっとも、同社はすでにグローバル化、多元化を大きく進めており、たとえ欧州が47%の高税率を適用しても、影響を最小限に止めることが出来る。

 これより先、「ウォールストリートジャーナル」は、EUが中国PV製品に対して平均47%前後の一時的な懲罰関税を6月6日から適用すると報道した。瞿氏は、中国PV製品に対して高額の懲罰関税を課すやり方に断固反対を表明したが、カナディアン・ソーラーは影響を最小限に食い止めると強調した。

カナディアン・ソーラー内部筋によると、同社PV製品の輸出先の中でEU市場の比率は顕著な低下傾向を示している。012年がEU市場の占める比率が40%であったが、2012年第4四半期には約30%に下がっていた。2013年も引き続きEU市場の比率は下がっている。瞿曉鏵氏は、同社は今後とも事業と市場のグローバル化、多元化に努めると述べた。

 「新興市場への転向は欧州市場の縮小を補う上でもう一つの大きな方途だ。日本、南米、南アフリカ、東南アジアが未来の重点市場になる」と、カナディアン・ソーラーのグローバル市場高級総監である張含冰氏が述べていた。

 一方、保利協■傘下の江蘇中能珪業科技発展有限公司の呂錦標副社長は「欧米の中国PVに対する高課税は最早動かせない。EUのダブルアンチ関税は5%でも致命的だ。課税されると、中国企業は課税されない台湾や韓国の企業と競争しなければならない。もともとEU向け価格は極めて低く、利益はほとんど出ていない。いったいどうすればよいのか」と述べた。先日、中国機電商会は、EU側が交渉によって問題を解決する誠意を全く示さなかったため第1回交渉は成果もなく終わったとして、決裂を宣言した。

 「12月の最終裁決結果が出るまで依然として大きい変数がある」と正略諮詢顧問の厳俊文氏は言う。欧州の経済回復が遅いため、EUは中国の広大な市場と資金投資を必要としている。関税によってPV設置量が下がれば、欧州の太陽光発電所開発業者にも極めて大きな損害が生じ、産業需要を抑えることになり、彼等がEUの最終裁決を変える可能性もある。厳俊文氏の判断によると、中国と欧州は最大の貿易パートナーであり、中国のPV産業に対する貿易制裁は互いの貿易戦争を招く。双方が互いに譲歩し、欧州は中国PV製品に対して枠を設ける一方で、中国企業は市場シェアの一定の低下を受け入れることが望ましい。

 (北極星PV網 5月24日)

 ●…金ヘンに「華」

 ■…「森」の「木」を「金」に