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【新エネルギー】

国家能源局が新エネルギー事業に総量規制を適用へ (13/05/29)
2013/6/3
中国【新エネルギー】

 国家能源局再生可能エネルギー司の史立山副司長は5月28日に開催された再生可能エネルギー情報成果発表会において、「新エネルギー事業許認可権の地方移管後にどのように管理するかという問題については、計画管理を進めること、全体規模を設定すること、地方がそうした枠組みに基づいて事業を実施することなどが基本構想になる。同時に地方と企業に対する監視を強化し、関連する評価システムを確立する」と述べた。

 史立山副司長によると、国家能源局はまず風力発電産業の監視と評価のシステムを確立し、徐々に全ての新エネルギー産業でも推進する。今後徐々に政府の管理はバックエンドに移行し、事業の運営、設備の性能、企業管理、地方管理等の監視と評価を強化することになる。

 国務院は最近、撤廃及び移管を行う117の行政許認可項目を発表したが、その中で、水力発電所、風力発電所、分散型ガス発電事業、電力グリッド、石油ガスパイプラインなどエネルギー事業が多数を占め、いずれも許認可権を地方政府の投資部門に移管することになった。

 そのことは、大型エネルギー事業の許認可手続きが簡略化されるとともに、地方の管理権限が拡大することをも意味しており、地方が産業政策に背いて事業を立ち上げたり、権力拡大によって腐敗が生じたり、権限の乱用が生じたりすることが懸念される。

 これについては過去の教訓がある。2008年、内需を拡大するため、中央政府は2年間で4兆元の投資計画を打ち出し、10大産業振興計画を実施した。当時、5万kW以上の風力発電事業の許認可は中央政府が行い、5万kW以下は省クラス政府が行っていたが、地方政府の積極的な推進の下で、発電企業は大型風力発電事業を5万kW以下の小型事業に分割して申請を行い、その結果、4.95万kWの風力発電事業が続出し、業界の混乱を招いた。そのため、国家能源局は2011年に地方の風力発電事業許認可権を回収し、各省に対し風力発電事業の許認可に当たっては国家能源局に許認可計画を上申するよう求めた。

 地方の保護が激化することも大きな懸念材料である。「許認可権が移管されると、各省の権力が増大する。企業にとって省域に跨る事業が一層難しくなる」と某企業の社長は憂慮する。

 史立山副司長によると、新エネルギー事業の許認可権はすでに地方政府に移管しているが、国家能源局は移管を行った後も管理を進め、マクロ調節を強化することを趣旨としている。なぜなら、新エネルギーの発展は今後相当長期にわたって政策支援が必要であり、完全に市場化に依存するわけにはいかないからである。マクロ調節管理は補助金や市場受入問題にも及ぶことになる。

 (経済参考報 5月29日)