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【新エネルギー】

風力発電と太陽光発電はなぜ伝統的な病を患ったのか (03/05/30)
2013/6/6
中国【新エネルギー】

 新興産業であるポリシリコン、太陽光発電や風力発電は生産能力過剰に仲間入りし、鉄鋼やセメント等の在来産業と同じ境遇にある。多くの新興産業の中で、なぜ新エネルギー分野に生産能力過剰業種が集中しているのだろうか。

 太陽光発電並びに風力発電と電力グリッドとの矛盾がその成長を阻む大きなネックであり、需要が十分掘り起こせないことが生産能力過剰の大きい原因であることは明らかであるが、その他にも2つの重要な原因がある、第1に技術面の参入のハードルが低いこと、第2に投資決定に当たって厳密な論証を欠いていることである。

 風力発電は技術参入のハードルが低いため、在来企業が事業に殺到した。ポリシリコンも同様に典型的な構造型過剰である。国内企業の製品は競争力が乏しいため売れない一方、国外から大量に輸入しなければならない。専門家が太陽光発電と風力発電の市場を前途有望と予測し、そのため多くの投資家は熟慮することなくこの市場に殺到したが、基本的な研究開発能力を欠いているため、典型的な「借りモノ主義」にはまり、低水準の重複建設という通弊に陥った。特許使用料の支払いに縛られて製品は価格競争力に劣り、最先進の製造技術を得ることも難しく、品質面で国外の製品と競争することがかなわない。

 投資決定の面で新興産業もまた在来産業と同様の伝統的な病を患っている。中国の投資決定は厳密な研究と論証を欠いており、軽率で粗雑である。国外の風力資源計測評価の精度が3m×3mであるのに対して、中国は30m×30mである。粗放式が中国の悪習になり、その結果、誤差と錯誤の生じる確率は必然的に高くなる。実際、太陽光発電の生産能力過剰も地方政府が鳴り物入りで囃し立てたことと無縁ではない。生産能力過剰の病を治すには、技術面の参入制限だけでなく、最終的な意思決定を綿密な研究と分析によって支えることも必要である。そうすることで病根を取り除けないまでも、生産能力過剰の症状を大幅に緩和することは可能である。

 (中国経済導報 5月30日)