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【省エネ・環境】

環境保護部が2012年の中国環境モニタリング結果を発表 (03/06/04)
2013/6/10
中国【省エネ・環境】

 環境保護部は《2012年中国環境状況公報》を発表した。環境保護部の関係責任者によると、2012年の全国化学的酸素要求量(COD)は2,423.7万トン、アンモニア窒素排出量は253.6万トンで、それぞれ前年比3.05%と2.62%の減少になった。排ガス中の二酸化硫黄排出量は2,117.6万トン、窒素酸化物排出量は2,337.8万トンで、それぞれ前年比4.52%と2.77%減少した。関係責任者によると、2012年のモニタリング結果から、全国の環境質は全体的に平穏を保っているが、依然として情勢が厳しいことが分かる。

 (1) 全国の水質環境は楽観を許さない。長江、黄河、珠江、松花江、淮河、海河、遼河、浙江・福建省の河川、西北・西南諸河川の10大流域の中央政府所轄セクションのうち、?〜?クラスが68.9%、?〜?クラスが20.9%、劣?クラスが10.2%であった、珠江流域、西南・西北諸河川の水質は優等、長江と浙江・福建省の河川は良好、黄河、松花江、淮河及び遼河は軽度汚染、海河は中度汚染。60ヵ所の湖・ダムのモニタリングによると、富栄養化状態にある湖・ダムが全体の26.0%を占め、うち軽度の富栄養化状態が18.3%、中度が6.7%であった。198都市の地下水モニタリングスポット4,929ヵ所のうち、水質が「優良〜良好〜比較的良好」は42.7%、「やや劣る〜極めて劣る」が57.3パーセント。

 (2) 国の沿岸海域の総合的水質は普通であった。1類と2類の比率は69.4%、3類と4類の比率は12.0%、劣4類は18.6%。4大海域エリアのうち、黄海と南シナ海の沿岸海域の水質は良好、渤海沿岸海域は普通、東シナ海沿岸海域は「極めて悪い」であった。9つの重要湾口のうち、黄河河口の水質は優良、北部湾は良好であったが、膠州湾、遼東湾及び閩江河口の水質は「悪い」、渤海湾、長江河口、杭州湾、珠江河口の水質は「極めて悪い」。

 (3) 都市の大気環境は全体的に安定し、酸性雨の分布エリアも安定を維持していた。 2012年時点で325の地区級市以上の都市が依然《環境大気質標準》(GB3095-1996)を施行しており、同標準に基づく評価では、基準達成都市の比率は91.4%となったが、《環境大気質標準》》(GB3095-2012)を適用するとその比率はわずか40.9%になる。環境保護重点都市の中で都市環境大気質標準に達している都市の比率は88.5%であったが、新標準をもとに評価すると、わずか23.9%になる。酸性雨分布エリアは主に長江沿岸部及びその南部とチベット高原より東の地区に集中しており、酸性雨面積は国土面積の約12.2%を占める。

 (4) 全国の都市騒音環境は全体的に比較的良好。全国の都市エリアの79.4%は騒音環境が1級及び2級、環境保護重点都市エリアでは1級と2級が77.9%を占めた。全国の都市道路交通騒音環境は1級と2級が98.1%を占め、環境保護重点都市では98.2%を占めた。全国都市各種機能エリアの騒音環境基準達成率は昼間が91.0%、夜間が69.6%。

 (5) 全国の放射線環境は全体的に良好であった。核施設と核技術利用事業の周辺環境の電離放射線レベルに顕著な変化は見られない。全体的な環境電磁放射線レベルは比較的良好であり、電磁放射線放出施設の周辺環境における電磁放射線レベルには全体的に顕著な変化は見られない。

 (6) エコロジー建設は比較的良好な進展ぶりを示している。2012年末時点の全国の各種・各クラスの自然保護区は2,669ヵ所、総面積は約1億4,979万ヘクタール、うち陸地面積は1億4,338万ヘクタールで全国陸地面積の14.9%を占める。国家級自然保護区は合計363ヵ所、面積は9,415万ヘクタール。

 (7) 農村の環境問題はますます顕在化している。工業化、都市化、農業の現代化の推進に伴い、農村環境の情勢は厳しくなっている。鉱工業汚染圧力が拡大し、生活汚染が部分的に激化し、家畜家禽養殖汚染は深刻。全国798ヵ村の環境質試験モニタリング結果によると、試験村の大気質は全体的に良好であるが、農村の飲用水源と地表水は程度の差はあれ汚染が進んでおり、農村の環境保護情勢には依然として厳しいものがある。

 (人民網 6月4日)