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中国
【省エネ・環境】

環境保護行政の強化と大気汚染防止法の改正は焦眉の急 (03/06/06)
2013/6/17
中国【省エネ・環境】

 昨年冬から今年春にかけて全国30の省・自治区・直轄市に相次いでスモッグが発生した。今年春の中国のスモッグ発生日数は平均12.1日に上り、平年の4.3日余りと比べ、1961年以来の過去最多となった。

 多くの専門家の見方では、現行の大気汚染防止法には大気環境保護に対する政府の責任について明確な規定がなく、政府の大気汚染防止指標も不明確なため、地方政府が経済発展を優先して「先に汚染して後から管理する」という現象が生じている。また、大気汚染法の規定する処罰は軽く、最高額はわずか10万元以下に過ぎないため、違法行為に対して規制効果を上げることが難しい。

 中央政府から地方政府に到るまで、現行の環境管理措置によって種々の環境問題を短期間で解決することは明らかに困難である。大気汚染防止法を、時代に合わせて速やかに修正すべきことには疑問の余地はない。そのためには、法的基礎を強化することが、当面の大気汚染に対応する重要な前提になる。中国環境科学学会副理事長であり、元環境保護部総工程師である楊朝飛氏は、当面の大気汚染情勢が極めて厳しいため、環境立法と行政を強化することは焦眉の急であると考えている。

 国の大気汚染管理とエコロジー文明建設の歩みは加速しつつある。5月22日、工業情報化部省エネ司の楊鉄生副司長は、環境保護部が中心になって策定に当たっている《大気汚染防止行動計画》の起草は間もなく完了し、月内に国務院に提出されると表明した。また、5月28日には周生賢環境保護部長が《大気汚染防止行動計画》において微小粒子物(PM2.5)、飲用水、土壌、重金属、化学品などの突出した問題に力を集中して優先的に解決を図ると指摘した。また、周環境保護部長は、立法レベルにおいて、《大気汚染防止法》等の法規の改訂に取り組むよう求めた。

 環境保護業界の関係者によると、今回の防止計画ではPM2.5の抑制が経済社会発展の拘束的指標になる可能性が極めて高い。同時に、重化学工業の主要企業に対して、一定期限内に排煙脱硫装置、脱硝装置、除塵装置の設置を義務付けることになる。業界関係者は、中央政府レベルの包括的な環境汚染防止計画の策定と公布に伴い、各地方政府の環境保護行動計画も次々と公布されると指摘する。

 専門家は、地方政府の業績評価の中にGDPだけでなく、大気環境も重要な項目として盛り込むことを建議している。そうした措置の一つに、環境保護と経済収益を直接「連動」させることがある。

 先進諸国は数十年にわたる大気汚染管理を経てようやく青い空と白い雲を取り戻した。中国もまた大気環境の改善を一夜にして成し遂げられるはずもなく、今後の道のりははるか遠い。現行の大気汚染防止法には環境情報の公開や市民参加の規定がない。そのため、専門家は《大気汚染防止法》に政府の情報公開の規定を設けると同時に、情報公開義務者が法定の環境情報公開の職責を履行するよう督促するため、法定義務を履行しない場合の懲罰を規定するよう提言している。

 (中国環保設備展覧網 6月6日)