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中国
【新エネルギー】

中国がメタンハイドレートサンプル採取を年内にも再開 (03/06/05)
2013/6/10
中国【新エネルギー】

 中国のメタンハイドレート探査が今年新たに重要な進展を遂げる見通しである。5月30日に広州で開催された中国南シナ海石油ガス探査開発フォーラムから得た情報によると、2007年に南シナ海神狐海域で初めてサンプルを採取したのに続き、今年再び南シナ海において海底メタンハイドレートのサンプル採取を行うことになる。もっとも、業界関係者によると、メタンハイドレートの探査と採掘に当たっては、重要技術のブレークスルーが待たれる。中国海洋石油(CNOOC)等の海洋石油ガス探査企業は依然としてメタンハイドレート商業開発への大規模投資を逡巡している。中国がメタンハイドレートという「新しい新エネルギー」の商業利用を実現するには長い時間がかかる。

 中国は近年、メタンハイドレート探査開発の研究を加速させており、2009年には自主開発による初のメタンハイドレート総合調査船「海洋六号」を建造した。2011年には中国地質調査局が主導する「メタンハイドレート資源探査・試掘専門プロジェクト(2011〜2030年)」が始動し、100億元の資金が投入されることになった。

 広州地質調査局の温寧局長によると、プロジェクトチームは今年、南シナ海北部傾斜地において第2回サンプル採取を実施して、同海域内のメタンハイドレート資源量に対して十分な評価を進める。

 中国はメタンハイドレートの探査、採掘、商業利用に関わる重要技術の面で米国、日本、カナダ等の諸国に遅れを取っており、今後の技術的ブレークスルーが待たれる。探査技術の面では、中国は基礎地質、地球化学、地震など間接的な探査方法によって得たデータを比較研究するに止まり、実地に得たサンプルは極めて少ない。また、探査装備も乏しい。深海試掘船を有しておらず、2007年にサンプル採取を行った時はオランダの試掘船を借用した。採掘技術の面では、中国は模擬実験とデジタルバーチャルの段階に止まっており、実験室での実験を実地採掘実験の装備に転化することも不十分である。さらに商業利用の面では、中国にはメタンハイドレートの貯蔵・輸送・末端の受入、オフショア加工等の商業応用研究が欠如している。

 業界関係者によると、中国の現在のメタンハイドレート研究開発ペースでは商業開発の実現に到るまでにどんなに早くとも2030年までかかる。

 (新華08網 6月5日)