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中国
【新エネルギー】

江蘇省のPV・風力・バイオマス発電が軒並み赤字 待望される政策支援 (03/06/20)
2013/6/28
中国【新エネルギー】

 再生可能エネルギーの開発と利用はエネルギー構造を調整する上でも必要性が切迫しているが、海外市場の伸びは鈍化し、国内需要は十分でない。トップレベルデザイン等の面から解決が求められる。2011年以降、欧州債務危機や独伊などの補助金の大幅カットに影響されてPVの成長の勢いは低下した。世界の新規PV設置量は28GWに止まり、伸び率は大幅に下がった。中国国内のPV市場は一部の実証プロジェクトがスタートしたものの、昨年の全国PV設置量はわずか7GWに過ぎなかった。生産能力の段階的な過剰が深刻化し、価格は急落した。中国のPVモジュール生産能力は40〜50GW(世界全体では60〜80GW)に達しているが、昨年の世界の需要はわずか30GWであった。価格は上流のポリシリコン素材から中流のモジュールに到るまでいずれも大幅に下がり、モジュール価格に到っては40〜50%下がり、収益も大幅に縮小して、多くの大手PV企業は赤字に陥っている。

 中国の風力発電機生産能力は3,000万kWに達し、江蘇省だけでも1,000万kWを超えるが、全国需要はわずか1,400万kW程度で、生産能力過剰が深刻である。価格は40%以上下がり、風力発電機メーカーは基本的に利益が出ない状態にある。

 バイオマス発電所はいずこも経営難であり、江蘇省のバイオマス発電所15社は昨年全て赤字となった。各発電所の赤字は平均1,000万元前後に上り、3,000万元近くの赤字を計上した発電所もある。江蘇省のバイオマス発電所の銀行借入金は1社当たり平均2億元以上、負債率は70%を超えている。

 《再生可能エネルギー法》は再生可能エネルギー電力全量買取保障制度を打ち出しているが、PVや風力発電の系統連系は依然として困難であるのが現状である。2009〜2011年に承認された江蘇省の「金太陽」プロジェクト27件のうち一部は未だに系統連系を行っていない。その主な原因には、電力グリッドの手続きが煩雑なことや審査にかかる時間が長すぎることがある。

 (新華日報 6月20日)