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中国
【新エネルギー】

昨年の風力発電電力機会損失による経済損失は100億元超 (13/06/24)
2013/7/5
中国【新エネルギー】

 中国の再生可能エネルギー電力事業は急速に発展しており、風力発電、太陽光発電や水力発電等の設備容量は絶えず増加している。しかし、大容量の送電ルートがなければ、巨額の投資とエネルギーが浪費されるだけであり、中国の再生可能エネルギー産業の健全な発展にとって不利である。

 風力発電技術の成熟に伴い、中国の風力発電設備容量は近年猛烈な勢いで増加している。2012年の風力発電新規設備容量は1,482万kW、系統連系設備容量は累計6,266万kWに達した。2012年の風力発電の発電量は1,004億kWhで全国電力総消費量の2%を占めた。風力発電は石炭火力発電、水力発電に次ぐ第3の主力電源となっている。しかし、昨年以降、一部地区で風力発電の電力機会損失が頻発している。

 現在、中国の風力発電電力機会損失は東北、西北及び華北地区に集中している。中国再生可能エネルギー学会風力専門委員会の統計によると、2012年に制約を受けた風力発電量は全国で約218億kWh、前の年の2倍に増え、その比率は19.98%に上った。中でも内蒙古東部地区が最も高く35.19%に達した。吉林は32.3%、内蒙古西部は24.9%。

 国家電網公司の張正陵報道官の説明によると、風力発電電力機会損失が東北地区に集中しているのは大規模な風力発電開発の結果である。吉林の風力発電開発は同省の経済規模と見合っていない。電力機会損失は主に冬の夜間に生じる。吉林の石炭火力発電の大半は熱電併給で、冬季の熱供給時の負荷はせいぜい90%であり、対外送電ルートがないため、風力発電の電力機会損失を選択する他ない。一方、西北と華北地区は負荷が主な問題になる。2012年の電力機会損失の比率は、甘粛24.4%、河北10.25%、山西20%、新疆6.18%となった。中国再生可能エネルギー学会風力専門委員会の秦海岩事務局長によると、風力発電の系統連系運転と電力消化をめぐる問題は依然として中国の風力発電の健全かつ急速な発展を制約する最も重要な要因である。こうした状況のため、風力発電所の経済性は低下し、2012年に電力機会損失に起因する風力発電の直接的な経済損失は100億元以上に上った。

 (経済参考報 6月24日)